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一般名 | シベレスタットナトリウム水和物注射用 |
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YJコード | 3999422D1020 |
剤型・規格 | 散剤・100mg1瓶 |
薬価 | 3333.00円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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全身性炎症反応症候群に伴う急性肺障害の改善。(効能又は効果に関連する注意)5.1.本剤は次記の5.1.1及び5.1.2の両基準を満たす患者に投与すること。5.1.1.全身性炎症反応症候群に関しては、次の項目のうち、2つ以上を満たすものとする。・体温>38℃又は<36℃。・心拍数>90回/分。・呼吸数>20回/分又はPaCO2<32mmHg。・白血球数>12000/μL、<4000/μL又は桿状球>10%。5.1.2.急性肺障害に関しては、次の全項目を満たすものとする。・肺機能低下(機械的人工呼吸管理下でPaO2/FIO2が300mmHg以下)が認められる。・胸部X線所見で両側性に浸潤陰影が認められる。・肺動脈楔入圧が測定された場合には、肺動脈楔入圧≦18mmHg、測定されない場合には、左房圧上昇の臨床所見を認めない。5.2.4臓器以上の多臓器障害を合併する患者、熱傷、外傷に伴う急性肺障害患者には投与しないことが望ましい(4臓器以上の多臓器障害を合併する患者、熱傷、外傷に伴う急性肺障害患者を除外せずに、ARDSNetworkの基準に準拠して実施された外国臨床試験において、本剤投与群ではプラセボ群と比較し、VentilatorFreeDays[VFD:28日間での人工呼吸器から離脱した状態での生存日数]及び28日死亡率で差は認められず、180日死亡率ではプラセボ群と比較して統計学的に有意に高かったとの報告がある)〔17.1.7参照〕。5.3.高度慢性呼吸器疾患を合併する患者については、有効性及び安全性は確立していない〔17.2.1参照〕。
通常、本剤を生理食塩液に溶解した後、1日量(シベレスタットナトリウム水和物として4.8mg/kg)を250~500mLの輸液で希釈し、24時間(1時間当たり0.2mg/kg)かけて静脈内に持続投与する。投与期間は14日以内とする。(用法及び用量に関連する注意)7.1.本剤の投与は肺障害発症後72時間以内に開始することが望ましい〔17.1.2参照〕。7.2.症状に応じてより短期間で投与を終了することも考慮すること。なお、本剤投与5日後の改善度が低い場合には、その後の改善度(14日後)も低いことが示されている〔17.1.6参照〕。
(禁忌)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。(重要な基本的注意)本剤の投与は一般的な急性肺障害の治療法(呼吸管理、循環血液量の補正、抗菌剤等)に代わるものではないので、原疾患に対する適切な治療を実施すること。(特定の背景を有する患者に関する注意)(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(授乳婦)授乳しないことが望ましい(動物実験において乳汁中への移行が認められている)。(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(高齢者)一般に生理機能が低下している。(適用上の注意)14.1.薬剤調製時の注意14.1.1.カルシウムを含む輸液を用いるときは、本剤の濃度を1mg/mL以下として使用すること(本剤の濃度が2mg/mL以上では沈殿が生じることがある)。14.1.2.輸液で希釈することによりpHが6.0以下となる場合には、沈殿が生じることがあるので注意すること。14.1.3.アミノ酸輸液を用いると分解が生じることがあるので、アミノ酸輸液との混注は避けること。(取扱い上の注意)外箱開封後は遮光して保存すること。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.呼吸困難(0.3%)。11.1.2.白血球減少(0.7%)、血小板減少(頻度不明)。11.1.3.肝機能障害(1.0%)、黄疸(頻度不明):著しいAST上昇・著しいALT上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。11.2.その他の副作用1).過敏症:(1%未満)発疹等。2).肝臓:(1~10%未満)ビリルビン上昇、AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、アルカリホスファターゼ上昇、(1%未満)ウロビリノーゲン陽性、LDH上昇。3).血液:(1~10%未満)好酸球増加、(1%未満)血小板減少、血小板増多、貧血、出血傾向。4).腎臓:(1%未満)多尿、尿蛋白増加、BUN上昇、(頻度不明)クレアチニン上昇。5).その他:(1%未満)高カリウム血症、総蛋白減少、注射部静脈炎。
18.1作用機序全身性炎症反応症候群に伴う急性肺障害において、本剤は、好中球から放出されたエラスターゼを選択的に阻害することにより、エラスターゼによる肺血管内皮細胞や肺胞上皮細胞のタンパク透過性亢進および血管基底膜の破綻を抑制し、肺胞内出血やタンパク漏出及び肺血管透過性亢進等の急性肺障害に特徴的な病態を改善すると考えられる。また、エラスターゼを阻害することにより組織への好中球浸潤を抑制すると考えられる。18.2好中球エラスターゼ阻害作用18.2.1本剤はヒト及び各種動物由来の好中球エラスターゼ活性を強力に阻害し、その阻害様式は拮抗型阻害であった。また、他のセリンプロテアーゼやシステインプロテアーゼ、メタロプロテアーゼにほとんど阻害作用を示さず、好中球エラスターゼを選択的に阻害した(invitro)。18.2.2生体内のエラスターゼ阻害因子であるα1プロテアーゼインヒビターは好中球より産生される活性酸素種により容易にエラスターゼ阻害作用を失うが、本剤のエラスターゼ阻害作用は活性酸素種による影響を受けなかった(invitro)。18.3急性肺傷害モデルにおける効果18.3.1ヒト好中球エラスターゼにより惹起したハムスター急性肺傷害モデルにおいて、静脈内持続投与により気管支肺胞洗浄液中への出血を用量依存的に抑制した。18.3.2コブラ毒あるいはエンドトキシンにより惹起したハムスター急性肺傷害モデルにおいて、静脈内持続投与により血漿中あるいは気管支肺胞洗浄液中のエラスターゼ活性の上昇を用量依存的に抑制し、その抑制効果に相関した肺傷害抑制効果を示した。18.4肺機能の改善作用塩酸により惹起したハムスター誤嚥性肺傷害モデルにおいて、静脈内持続投与により肺機能(動脈血酸素分圧)の低下を抑制し、生存率の改善効果を示した。
17.1有効性及び安全性に関する試験17.1.1国内第III相試験(二重盲検比較試験及びARDSNetworkの基準に準拠した臨床試験)二重盲検比較試験及び国際的な試験方法であるARDSNetworkの基準に準拠した臨床試験において(いずれも投与前の臓器障害数が肺を含め3臓器以下の患者に本剤を14日間投与した)、全身性炎症反応症候群に伴う肺障害に対する本剤の有用性が確認されている。肺以外の臓器障害の診断基準--------------------------表開始--------------------------障害臓器診断基準心臓循環血液量が適正で通常量のinotropicagentsに反応しない血圧低下(SBP<100mmHg)肝臓血清ビリルビン>5mg/dL又はs‐ALT>200IU/L腎臓BUN>50mg/dL又は血清クレアチニン>3mg/dL消化管出血輸血を要する消化管出血中枢神経系3、3、9度方式による意識レベルで2桁以上血液凝固系厚生省DIC基準に基づくDIC--------------------------表終了--------------------------17.1.2国内第III相試験(二重盲検比較試験)全身性炎症反応症候群に伴う急性肺障害患者116例を対象に、1時間あたり0.2mg/kgを盲検下で14日間静脈内に持続投与した。肺機能改善度の「中等度改善」以上は、本剤の投与開始が肺障害発症後72時間以内の患者で72.5%(66/91例)、72時間を超える患者で54.5%(12/22例)であった。副作用発現率は18.6%(21/113例)であり、主な副作用はγ‐GTP上昇11.5%(13/113例)、ALP上昇11.5%(13/113例)、ALT上昇8.0%(9/113例)、AST上昇5.3%(6/113例)であった。[7.1参照]17.1.3国内第III相試験(ARDSNetworkの基準に準拠した臨床試験)投与前に肺を含め4臓器以上の多臓器障害を合併する患者、高度な慢性呼吸器疾患を合併する患者、熱傷、外傷に伴う急性肺障害患者を除外して実施したARDSNetworkの基準に準拠した臨床試験(20例、1時間あたり0.2mg/kgを14日間静脈内に持続投与)において、VentilatorFreeDays[VFD:28日間での人工呼吸器から離脱した状態での生存日数](平均±標準偏差)は、14.3±8.6日であった。副作用発現率は25.0%(5/20例)であり、主な副作用は、γ‐GTP上昇25.0%(5/20例)、AST上昇、ALT上昇及びALP上昇がそれぞれ15.0%(3/20例)であった。なお、国内第III相試験(二重盲検比較試験)に組み入れられた患者のうち、前記ARDSNetworkの基準に準拠した臨床試験の選択基準に合致した患者107例でのサブグループ解析において、VFD(平均±標準偏差)は、対照群(61例、0.004mg/kg)では10.7±10.8日、至適用量群(46例、0.2mg/kg)では13.1±10.9日であった。17.1.4国内第II相試験全身性炎症反応症候群に伴う急性肺障害患者57例を対象に、1時間あたり0.2mg/kgを盲検下で5日間静脈内に持続投与した。全般改善度の「中等度改善」以上は、投与前の臓器障害数が肺を含め3臓器以下の患者で63.2%(24/38例)、4臓器以上の患者で33.3%(5/15例)であった(なお、本試験では肺以外の臓器障害の診断基準を定めていない)。副作用発現率は7.3%(4/55例)であり、主な副作用は肝機能障害7.3%(4/55例)であった。また、関連性が否定できない臨床検査値の異常変動発現率は14.8%(8/54例)であり、γ‐GTP上昇13.9%(5/36例)、ALP上昇11.4%(5/44例)、LDH上昇8.9%(4/45例)であった。17.1.5国内臨床試験(全般改善度の評価)二重盲検比較試験を含む臨床試験234例において、全身性炎症反応症候群に伴う肺障害に効果がみられ、全般改善度の「中等度改善」以上は70.5%(165/234例)であった。17.1.6国内臨床試験(肺機能改善度の推移)二重盲検比較試験を含む14日間投与で実施した臨床試験において、投与5日後の肺機能改善度を基準とした投与10日後、投与14日後の「中等度改善」以上は次のとおりであった。[7.2参照]投与5日後を基準とした肺機能改善度の推移--------------------------表開始--------------------------5日後肺機能改善度10日後肺機能改善度(中等度改善以上)14日後肺機能改善度(中等度改善以上)著明改善100.0%(56/56例)100.0%(56/56例)中等度改善90.0%(36/40例)90.0%(36/40例)軽度改善64.5%(20/31例)80.6%(25/31例)不変27.8%(10/36例)34.3%(12/35例)悪化0.0%(0/12例)0.0%(0/12例)計69.7%(122/175例)74.1%(129/174例)5日後不変の1例は副作用のため中止され、14日後は欠測となった。--------------------------表終了--------------------------17.1.7海外第II相試験(ARDSNetworkの基準に準拠して実施した外国臨床試験)急性肺障害患者487例(プラセボ群246例、本剤投与群241例)を対象に、ARDSNetworkの基準に準拠して、海外第II相無作為化二重盲検プラセボ比較臨床試験(高度な慢性呼吸器疾患を合併する患者は除外し、投与前に肺を含め4臓器以上の多臓器障害を合併する患者、熱傷、外傷に伴う急性肺障害患者を除外せずに実施)において、本剤を0.16mg/kg/hrの投与速度注)で最大14日間の持続静脈内投与を行った。その結果、VFD(平均±標準偏差)は、プラセボ群11.9±10.1日、本剤投与群11.4±10.3日であり、28日死亡率は、プラセボ群26.0%(64/246例)、本剤投与群26.6%(64/241例)であった。180日死亡率は、プラセボ群31.3%(77/246例)、本剤投与群40.2%(97/241例)であり、プラセボ群と比較して本剤投与群で180日死亡率は統計学的に有意に高かった※。[5.2参照]※なお、国内臨床試験の組み入れ基準に合致した患者(投与前に肺を含め4臓器以上の多臓器障害を合併する患者、熱傷、外傷に伴う急性肺障害患者を除外)で、かつ肺障害の重症度が国内二重盲検比較試験と同程度の患者100例での事後のサブグループ解析では、VFD(平均±標準偏差)は、プラセボ群12.0±10.3日、本剤投与群15.9±10.4日、28日死亡率は、プラセボ群34.0%(18/53例)、本剤投与群12.8%(6/47例)、180日死亡率は、プラセボ群45.3%(24/53例)、本剤投与群34.0%(16/47例)であった。注)本剤の承認された用量は、1時間当たり0.2mg/kgである。17.2製造販売後調査等17.2.1ARDSNetworkの基準に準拠して実施した国内市販後臨床試験(1)全身性炎症反応症候群に伴う急性肺障害患者556例を対象に、ARDSNetworkの基準に準拠して実施した製造販売後臨床試験※(投与前に肺を含め4臓器以上の多臓器障害を合併する患者、高度な慢性呼吸器疾患を合併する患者、熱傷、外傷に伴う急性肺障害患者を除外して実施)において、VFD(調整平均±標準誤差)は、本剤非投与群12.1±1.0日、本剤投与群15.7±0.5日であり、本剤投与群でVFDは長かった。28日生存率(Kaplan‐Meier法)は、本剤非投与群77.0%、本剤投与群88.6%であり、本剤投与群で28日生存率は高かった。180日生存率(Kaplan‐Meier法)は、本剤非投与群56.3%、本剤投与群71.8%であり、本剤投与群で180日生存率は高かった。VFD、28日生存率、180日生存率のいずれも統計学的に有意差が認められている。※独立した2つの多施設共同試験から本剤投与群384例と本剤非投与群172例を集積し、成績は両群間の患者背景の偏りを調整。(2)高度な慢性呼吸器疾患を合併する患者を対象に実施した製造販売後臨床試験において、本剤の使用経験は9例と少なく、有効性及び安全性は確立されていない。[5.3参照]