1.
便通異常症 慢性下痢(6)イオン交換樹脂製剤と下痢【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q117
2024/06/24 一目でわかる診療ビフォーアフター
便通異常症 慢性下痢(6)イオン交換樹脂製剤と下痢【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q117
https://www.carenet.com/series/beforeafter/cg003455_117.html
一般名 | エポプロステノールナトリウム静注用 |
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YJコード | 2190413F3020 |
剤型・規格 | 散剤・1.5mg1瓶 |
薬価 | 14077.00円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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先天性腎性尿崩症〔Congenital nephrogenic diabetes insipidus〕
2021/04/13 希少疾病ライブラリ
先天性腎性尿崩症〔Congenital nephrogenic diabetes insipidus〕
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肺動脈性肺高血圧症。(効能又は効果に関連する注意)5.1.本剤は肺動脈性肺高血圧症と診断された患者にのみ使用すること。5.2.本剤の使用にあたっては、最新の治療ガイドラインを参考に投与の要否を検討すること。5.3.先天性心疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症については、Eisenmenger症候群あるいは術後に肺高血圧の残存している患者にのみ使用すること。5.4.本剤は他の血管拡張薬で十分な治療効果が得られない場合に適用を考慮すること。5.5.特発性又は遺伝性PAH及び結合組織病に伴うPAH以外のPAHにおける安全性・有効性は確立していない(PAH:肺動脈性肺高血圧症)。
用量設定(投与開始時)本剤は専用溶解液を用いて溶解し、通常、成人にはエポプロステノールとして1分間当り2ng/kgの投与速度で精密持続点滴装置(シリンジポンプ又は輸液ポンプ)により、持続静脈内投与を開始する。患者の状態(症状、血圧、心拍数、血行動態等)を十分観察しながら15分以上の間隔をおいて1~2ng/kg/分ずつ増量し、10ng/kg/分までの範囲で最適投与速度を決定する。最適投与速度の決定にあたっては、増量時における潮紅(軽微なものを除く)、頭痛、嘔気等の副作用の発現が重要な指標となる。このような症状が軽度でも認められた場合にはその後の増量を中止し、それらの症状が消失しない場合には15分以上の間隔をおいて2ng/kg/分ずつ減量すること。継続投与その後は最適投与速度で維持し、定期的に患者を観察し症状に応じて投与速度を適宜調節するが、その場合も患者の状態(症状、血圧、心拍数、血行動態等)を観察しながら15分以上の間隔をおいて1~2ng/kg/分ずつ増減する。(用法及び用量に関連する注意)7.1.本剤による重篤な副作用は、投与開始時の最小の投与速度である2ng/kg/分でも発現するおそれがあり、また本剤による副作用の多くが最適投与速度を決定するまでの間に発現しているので、その間は患者の症状、血圧、心拍数、血行動態等を十分観察すること〔11.副作用の項参照〕。7.2.最適投与速度を決定する際に、肺動脈圧の低下のみを目安にしないこと(臨床試験において、用量設定期(投与開始時)には心拍出量は増加するが、肺動脈圧は低下しないことが認められており、過量投与となる可能性がある)。7.3.投与開始後1日間は、血圧低下等血行動態の変化による副作用の発現を防ぐため患者の安静を保つこと。7.4.投与中及び投与中止の際の急激な減量により肺高血圧症状が増悪するおそれがあるので、本剤を休薬又は投与中止する場合は、1日当り2ng/kg/分以下で徐々に減量すること(また、重篤な副作用の発現等、本剤を直ちに中止すべきと判断した場合でも、可能な限り徐々に減量し、急に中止しないこと)〔11.副作用の項参照〕。7.5.本剤の減量中又は投与中止後に症状の悪化又は症状の再発が認められることがあるので、患者の状態に注意し、このような場合には、適宜増量又は再投与する等の適切な処置を行うこと〔11.副作用の項参照〕。
(警告)1.1.過度の血圧低下、低血圧性ショック、徐脈、意識喪失・意識障害等の重大な副作用が認められているので、本剤の投与は患者の状態を十分観察しながら行うこと。1.2.本剤の使用にあたっては、6.用法及び用量、7.用法及び用量に関連する注意を遵守すること。1.2.1.本剤は常に静注用フローラン専用溶解液のみで溶解し、他の注射剤<静注用フローラン専用溶解液以外>等と配合しないこと、また、他の注射剤、輸液等を併用投与する場合は、混合せず別の静脈ラインから投与すること(pHが低下し安定性が損なわれる、本剤の有効成分の含量低下により投与量が不足する可能性があり、投与量の不足により十分な臨床効果が得られず、肺高血圧症状の悪化又は再発を来すおそれがある)〔14.1.1、14.2.1参照〕。1.2.2.外国で長期投与後の急激な中止により死亡に至った症例が報告されているので、本剤を休薬又は投与中止する場合は、徐々に減量すること〔11.副作用の項参照〕。(禁忌)2.1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。2.2.右心不全の急性増悪時の患者[本剤の血管拡張作用によりその病態をさらに悪化させるので、カテコールアミンの投与等の処置を行い、状態が安定するまでは投与しないこと]。2.3.重篤な左心機能障害のある患者[本剤の血管拡張作用により、その病態をさらに悪化させるおそれがある]。2.4.重篤な低血圧の患者[本剤の血管拡張作用により、その病態をさらに悪化させるおそれがある]〔9.1.2参照〕。2.5.用量設定期<投与開始時>に肺水腫が増悪した患者〔9.1.3、11.1.2参照〕。(重要な基本的注意)8.1.本剤の投与は、病状の変化への適切な対応が重要なので、緊急時に十分措置できる医療施設及び肺高血圧症及び心不全の治療に十分な知識と経験をもつ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例にのみ行うこと。8.2.長期間にわたって持続注入する際には注射部位からの感染、敗血症があらわれることがあるので、注射部位を常に清潔に保つこと。8.3.甲状腺機能亢進症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.3参照〕。8.4.血小板減少があらわれることがあるので、定期的に臨床検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.4参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.高度に全肺血管抵抗が上昇<40mmHg・分/L以上>している患者:全肺血管抵抗が40mmHg・分/L以上を示し特発性又は遺伝性肺動脈性肺高血圧症の末期と考えられる症例で、重大な副作用(血圧低下及び徐脈)を発現し死亡に至った報告がある〔11.1.1参照〕。9.1.2.低血圧<収縮期血圧100mmHg以下>の患者:本剤の血管拡張作用により、血圧をさらに低下させるおそれがある〔2.4参照〕。9.1.3.肺静脈閉塞を有する患者:特に用量設定期(投与開始時)に肺静脈閉塞に由来する肺水腫を増悪させることがある〔2.5、11.1.2参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(授乳婦)治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(類薬の動物試験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている)。(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(高齢者)一般に、生理機能が低下していることが多い。(相互作用)10.2.併用注意:1).降圧作用を有する薬剤、カルシウム拮抗剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、利尿剤、プロスタグランジンE1誘導体製剤、プロスタグランジンE2誘導体製剤、プロスタグランジンI2誘導体製剤等[過度の血圧低下が起こることがあるので、併用薬若しくは本剤を増量する場合は血圧を十分観察すること(相互に降圧作用を増強することが考えられる)]。2).抗凝血剤(ワルファリン等)、血栓溶解剤(ウロキナーゼ等)、血小板凝集抑制作用を有する薬剤(アスピリン、チクロピジン、プロスタグランジンE1誘導体製剤、プロスタグランジンE2誘導体製剤、プロスタグランジンI2誘導体製剤、非ステロイド性抗炎症剤等)[出血の危険性を増大させるおそれがあるので、定期的にプロトロンビン時間等の血液検査を行い、必要に応じてこれらの併用薬を減量又は投与を中止すること(相互に抗凝血作用を増強することが考えられる)]。3).ジゴキシン[一過性であるがジゴキシンの血中濃度が上昇することが報告されているので注意すること(機序不明)]。(過量投与)13.1.処置過量投与時、減量又は投与中止に加え、輸液、カテコールアミン、アトロピン硫酸塩水和物を投与するなど必要な対症療法を行うこと(投与中止の際は、肺高血圧症状の悪化又は再発を避けるため可能な限り徐々に投与速度を落とした後に中止すること)。(適用上の注意)14.1.薬剤調製時の注意14.1.1.本剤は、常に静注用フローラン専用溶解液のみで溶解し、他の注射剤<静注用フローラン専用溶解液以外>等と配合しないこと(他の注射剤、輸液等との配合あるいは混合によりpHが低下し安定性が損なわれる、本剤の有効成分の含量低下により投与量が不足する可能性があり、投与量の不足により十分な臨床効果が得られず、肺高血圧症状の悪化又は再発を来すおそれがある)〔1.2.1、14.2.1参照〕。14.1.2.調製濃度と必要バイアル数:静注用フローラン専用溶解液を用い、次を参考に調製する。1).調製する注射液の濃度5000ng/mL:凍結乾燥品(エポプロステノール0.5mg)バイアル数1本、静注用フローラン専用溶解液(50mL)バイアル数2本。2).調製する注射液の濃度10000ng/mL:凍結乾燥品(エポプロステノール0.5mg)バイアル数1本、静注用フローラン専用溶解液(50mL)バイアル数1本。3).調製する注射液の濃度10000ng/mL:凍結乾燥品(エポプロステノール0.5mg)バイアル数2本、静注用フローラン専用溶解液(50mL)バイアル数2本。4).調製する注射液の濃度15000ng/mL:凍結乾燥品(エポプロステノール1.5mg)バイアル数1本、静注用フローラン専用溶解液(50mL)バイアル数2本。5).調製する注射液の濃度20000ng/mL:凍結乾燥品(エポプロステノール0.5mg)バイアル数1本、凍結乾燥品(エポプロステノール1.5mg)バイアル数1本、静注用フローラン専用溶解液(50mL)バイアル数2本。6).調製する注射液の濃度30000ng/mL:凍結乾燥品(エポプロステノール1.5mg)バイアル数1本、静注用フローラン専用溶解液(50mL)バイアル数1本。7).調製する注射液の濃度30000ng/mL:凍結乾燥品(エポプロステノール1.5mg)バイアル数2本、静注用フローラン専用溶解液(50mL)バイアル数2本。8).調製する注射液の濃度40000ng/mL:凍結乾燥品(エポプロステノール0.5mg)バイアル数2本、凍結乾燥品(エポプロステノール1.5mg)バイアル数2本、静注用フローラン専用溶解液(50mL)バイアル数2本。9).調製する注射液の濃度50000ng/mL:凍結乾燥品(エポプロステノール0.5mg)バイアル数1本、凍結乾燥品(エポプロステノール1.5mg)バイアル数3本、静注用フローラン専用溶解液(50mL)バイアル数2本。14.1.3.注射液の調製手順(1).アルコール綿を用いてバイアルのゴム栓を消毒する。(2).静注用フローラン専用溶解液に添付された専用ベンティッドアダプターを、静注用フローラン専用溶解液のバイアルに取り付ける。(3).専用ベンティッドアダプターに注射筒を接続する。(4).注射筒内に静注用フローラン専用溶解液を全て吸引する。(5).注射筒から専用ベンティッドアダプターを取り外し、注射針を取り付ける。(6).凍結乾燥品のバイアルのゴム栓を消毒した後に、注射筒内の静注用フローラン専用溶解液を本バイアルに注入し、溶解させる。(7).(6)の薬液をもとの注射筒に全て吸引する。(8).複数の凍結乾燥品のバイアルを用いる必要がある場合は(6)、(7)の手順を繰り返し、注射液の濃度が適切となるよう薬液を調製する。14.1.4.無色澄明に溶解しなかったものは、使用しないこと。14.1.5.静注用フローラン専用溶解液は保存剤を含まないため、専用溶解液の残液は廃棄すること。14.1.6.調製後は溶液中の有効成分が徐々に分解するため、調製後すぐに投与開始しない場合は溶液を冷蔵保存(2~8℃)すること。14.1.7.調製後、冷蔵保存する場合は8日間(192時間)を超えないこと。14.1.8.静注用フローラン専用溶解液及び調製後溶液を凍結させないこと(凍結した場合には、溶解後も使用しないこと)。14.1.9.調製後溶液は投与開始前の冷蔵保存の有無に関わらず、次の設定温度毎の規定時間内(25℃以下48時間以内、30℃以下36時間以内、35℃以下24時間以内、40℃以下12時間以内)で投与を終了し投与中も遮光することが望ましい。14.1.10.一旦投与を開始した溶液の残液は使用しないこと。14.2.薬剤投与時の注意14.2.1.本剤は静脈内投与にのみ使用すること。また、他の注射剤、輸液等を併用投与する場合は、混合せず別の静脈ラインから投与すること〔1.2.1、14.1.1参照〕。14.2.2.本剤は末梢又は中心静脈内にカテーテルを留置し、無菌のフィルター(0.20又は0.22μm)を接続した精密持続点滴装置を用いて、[体重別の注射液流量(mL/時)5000ng/mLの濃度に調製した場合]に示す注射液流量に従い持続投与する。ただし、精密持続点滴装置は[精密持続点滴装置の仕様]に示す機能・精度を有するものを使用する。[体重別の注射液流量(mL/時)5000ng/mLの濃度に調製した場合]1).エポプロステノール投与速度2ng/kg/分の場合:(体重1kg当り0.024mL/時)体重10kg;0.24mL/時、体重15kg;0.36mL/時、体重20kg;0.48mL/時、体重25kg;0.60mL/時、体重30kg;0.72mL/時、体重35kg;0.84mL/時、体重40kg;0.96mL/時、体重45kg;1.08mL/時、体重50kg;1.20mL/時、体重55kg;1.32mL/時、体重60kg;1.44mL/時、体重65kg;1.56mL/時、体重70kg;1.68mL/時、体重75kg;1.80mL/時、体重80kg;1.92mL/時。2).エポプロステノール投与速度4ng/kg/分の場合:(体重1kg当り0.048mL/時)体重10kg;0.48mL/時、体重15kg;0.72mL/時、体重20kg;0.96mL/時、体重25kg;1.20mL/時、体重30kg;1.44mL/時、体重35kg;1.68mL/時、体重40kg;1.92mL/時、体重45kg;2.16mL/時、体重50kg;2.40mL/時、体重55kg;2.64mL/時、体重60kg;2.88mL/時、体重65kg;3.12mL/時、体重70kg;3.36mL/時、体重75kg;3.60mL/時、体重80kg;3.84mL/時。3).エポプロステノール投与速度6ng/kg/分の場合:(体重1kg当り0.072mL/時)体重10kg;0.72mL/時、体重15kg;1.08mL/時、体重20kg;1.44mL/時、体重25kg;1.80mL/時、体重30kg;2.16mL/時、体重35kg;2.52mL/時、体重40kg;2.88mL/時、体重45kg;3.24mL/時、体重50kg;3.60mL/時、体重55kg;3.96mL/時、体重60kg;4.32mL/時、体重65kg;4.68mL/時、体重70kg;5.04mL/時、体重75kg;5.40mL/時、体重80kg;5.76mL/時。4).エポプロステノール投与速度8ng/kg/分の場合:(体重1kg当り0.096mL/時)体重10kg;0.96mL/時、体重15kg;1.44mL/時、体重20kg;1.92mL/時、体重25kg;2.40mL/時、体重30kg;2.88mL/時、体重35kg;3.36mL/時、体重40kg;3.84mL/時、体重45kg;4.32mL/時、体重50kg;4.80mL/時、体重55kg;5.28mL/時、体重60kg;5.76mL/時、体重65kg;6.24mL/時、体重70kg;6.72mL/時、体重75kg;7.20mL/時、体重80kg;7.68mL/時。5).エポプロステノール投与速度10ng/kg/分の場合:(体重1kg当り0.12mL/時)体重10kg;1.20mL/時、体重15kg;1.80mL/時、体重20kg;2.40mL/時、体重25kg;3.00mL/時、体重30kg;3.60mL/時、体重35kg;4.20mL/時、体重40kg;4.80mL/時、体重45kg;5.40mL/時、体重50kg;6.00mL/時、体重55kg;6.60mL/時、体重60kg;7.20mL/時、体重65kg;7.80mL/時、体重70kg;8.40mL/時、体重75kg;9.00mL/時、体重80kg;9.60mL/時。注射液流量の計算式注射液の流量(mL/時)=投与速度(ng/kg/分)×体重(kg)×60(分)/注射液の濃度(ng/mL)。精密持続点滴装置にセットする注射液量は小数点以下1桁に四捨五入する。[精密持続点滴装置*の仕様]流量ステップ:0.1mL/時以下、流量精度:±6%以下、警報機能:残量、過負荷、バッテリー。*:間欠作動型の場合は駆動間隔が3分を超えないものとする。14.2.3.調製後溶液のpHは高く、薬液が血管外に漏れると組織障害を起こすおそれがあるので、薬液が血管外へ漏れないように慎重に投与すること。14.2.4.継続投与により、注射部炎症反応(静脈炎、血管痛)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には注射部位を変更する等の処置を行うこと。14.2.5.本剤の血漿中半減期は非常に短いため、精密持続点滴装置の注射液を新たにセットする場合又は注射部位を変更する場合は、速やかに行うこと。14.2.6.精密持続点滴装置の誤操作により、過量投与となる可能性があるので、本剤の投与前に精密持続点滴装置の操作を十分習得し、流量の設定には十分注意すること。また、精密持続点滴装置の故障や誤作動等により、本剤の投与量が過多若しくは不足となる可能性があるので、注射液と精密持続点滴装置は常に予備を用意しておくこと(投与量の過多又は不足により、本剤の血管拡張作用に関連する副作用が発現したり、肺高血圧症状の悪化又は再発を来すおそれがある)。14.2.7.カテーテルの閉塞により、本剤の投与量が不足し、肺高血圧症状の悪化又は再発を来すおそれがあるので、カテーテルの閉塞が疑われた場合(精密持続点滴装置のアラームが作動、薬液容器内の残量が通常より多い等)には、至急適切な処置を行うこと。(取扱い上の注意)外箱開封後は遮光して保存すること。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔1.2.2、7.1、7.4、7.5参照〕。11.1.重大な副作用11.1.1.ショック状態(2.9%):過度の血圧低下や過度の徐脈に引き続き、意識喪失等のショック状態、尿量減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与中止に加え輸液、カテコールアミン、アトロピン硫酸塩水和物の投与等の適切な処置を行うこと〔9.1.1参照〕。11.1.2.肺水腫(頻度不明)〔2.5、9.1.3参照〕。11.1.3.甲状腺機能亢進症(頻度不明)〔8.3参照〕。11.1.4.血小板減少(8.6%)〔8.4参照〕。11.2.その他の副作用1).循環器:(10%以上)潮紅(45.7%)、動悸、低血圧、(10%未満)徐脈、頻脈、(頻度不明)蒼白、腹水。2).消化器:(10%以上)悪心・嘔吐、心窩部不快感、下痢、(10%未満)腹痛、消化不良、(頻度不明)口内乾燥。3).筋骨格:(10%以上)顎痛、関節痛、(10%未満)胸痛、(頻度不明)骨痛、背痛、筋肉痛。4).精神神経系:(10%以上)頭痛(40%)、感覚鈍麻、(10%未満)めまい、振戦、(頻度不明)手のしびれ、異常感覚、不安、神経過敏、激越、感覚過敏。5).呼吸器:(10%以上)呼吸困難。6).血液:(10%以上)出血(肺出血、消化管出血、鼻出血等)。7).皮膚:(10%未満)発疹、発汗。8).全身症状:(10%未満)胸部絞扼感、疼痛、全身倦怠感、悪寒、(頻度不明)発熱、インフルエンザ様症状。
18.1作用機序PGI2は血管平滑筋及び血小板の特異的受容体に結合し、細胞内のcAMP産生を促進することにより血管拡張作用及び血小板凝集抑制作用を発現する。18.2血管拡張作用血圧低下作用を指標として麻酔ウサギ及びラットにおいて血管拡張作用を検討した結果、用量依存的に血圧を低下させる。18.3血小板凝集抑制作用ヒト血小板のADP誘発凝集を抑制(50%抑制濃度:0.5±0.1ng/mL)する(invitro)。18.4病態モデルに対する作用18.4.1トロンビンにより誘発したヒツジ肺高血圧症モデルにおいて、肺血管抵抗及び平均肺動脈圧の上昇を抑制する。18.4.2ガラスビーズ(静脈内注入)により誘発したブタ肺高血圧症モデルにおいて、肺動脈圧及び肺血管抵抗を低下させ、心拍出量を増加させる。
17.1有効性及び安全性に関する試験17.1.1国内第II相試験(特発性又は遺伝性肺動脈性肺高血圧症)特発性又は遺伝性肺動脈性肺高血圧症の入院患者を対象とした、多施設共同、非対照、非盲検試験で、特発性又は遺伝性肺動脈性肺高血圧症患者20例のうち、本剤が4週間以上投与された15例において、投与後4、8、12週目の平均投与速度はそれぞれ5.7、6.1、7.3ng/kg/分であった。全肺血管抵抗及び肺動脈圧の低下、心拍出量の増加など心肺血行動態の改善が認められた。また、肺高血圧症に伴う息切れ、呼吸困難、動悸及び全身倦怠感等の自他覚症状に改善が認められ(60%、9/15例)、ニューヨーク心臓協会(NYHA)の心機能分類、心不全重症度分類において、それぞれ73%(11/15例)、87%(13/15例)に1段階以上の改善が認められた。副作用発現頻度は、70%(14/20例)であった。主な副作用は、頭痛(6例)、潮紅(5例)、血圧低下、嘔気・嘔吐(各3例)、徐脈、意識喪失(各2例)、低血圧性ショック、尿量減少(各1例)であった。17.1.2国内第II相試験(結合組織病に伴う肺動脈性肺高血圧症)結合組織病に伴う肺動脈性肺高血圧症患者を対象とした、多施設共同、非対照、非盲検試験で、本剤が投与された結合組織病に伴う肺動脈性肺高血圧症患者14例において、投与後4、8、12週目の平均投与速度はそれぞれ4.9、6.0、7.7ng/kg/分であった。全肺血管抵抗及び肺動脈圧の低下、心拍出量の増加など心肺血行動態の改善が認められた。また、肺高血圧症に伴う呼吸困難等の自覚症状の改善が認められ、NYHAの心機能分類において69%(9/13例)に1段階以上の改善が認められた。運動耐容能の評価である6分間歩行距離の平均値は、投与前211.0m(中央値:191.5m)、投与終了時(12週目のデータ:1例のみ6週目のデータ)313.9m(中央値:320m)であり、投与終了時において投与前から92.8m(95%信頼区間:48.0~137.6m)増加した。副作用発現頻度は、86.7%(13/15例)であった。主な副作用は、潮紅(11例)、顎痛、頭痛(各8例)であった。17.1.3海外第III相試験(特発性又は遺伝性肺動脈性肺高血圧症)特発性又は遺伝性肺動脈性肺高血圧症の患者81例を対象とした無作為割付比較試験(既存療法に本剤投与を併用する群:本剤投与群41例、経口血管拡張薬、抗血液凝固薬等の既存療法のみの群:既存療法群40例)において、本剤を12週間投与した。継続投与期に移行時の平均投与速度は5.3±0.5ng/kg/分(n=41)、投与開始後4、8、12週目の平均投与速度はそれぞれ7.0±0.5(n=39)、8.6±0.7(n=38)、9.2±0.8(n=37)であり、投与期間の延長に伴い投与量の増量が必要になった。用量設定期(投与開始時)には、既存療法群にも本剤を投与した。用量設定期(投与開始時)の血行動態の推移を表1に示す。表1用量設定期(投与開始時)における血行動態の変化--------------------------表開始--------------------------項目注)投与前最大忍容速度時95%信頼区間(最大忍容速度時、投与前)心係数(L/分/m2)2.112.85(0.538、0.946)*平均肺動脈圧(mmHg)59.1757.26(-3.598、-0.223)*平均体血圧(mmHg)89.5876.80(-14.688、-10.881)*心拍出量(L/分)3.694.99(0.925、1.678)*全肺血管抵抗(mmHg・分/L)18.9613.65(-6.544、-4.072)*注)項目によって母数は異なる。*:95%信頼区間において0を含まない場合は有意(p<0.05)とみなした。--------------------------表終了--------------------------継続投与期には、本剤投与群は既存療法群に比較して、心係数及び心拍出量は有意に増加し、平均肺動脈圧、肺血管抵抗、体血圧及び全肺血管抵抗は有意に低下した(p<0.05)。継続投与期の血行動態の変化を表2に示す。表2継続投与期における血行動態の変化--------------------------表開始--------------------------項目本剤投与群(n=41)既存療法群(n=40)95%信頼区間(本剤投与群、既存療法群)開始時12週目開始時12週目心係数(L/分/m2)2.02.42.12.0(0.38、0.74)*平均肺動脈圧(mmHg)60.555.158.759.5(-8.69、-4.67)*肺血管抵抗(mmHg・分/L)15.712.216.217.1(-6.25、-3.64)*平均体血圧(mmHg)89.985.188.989.7(-6.72、-1.18)*心拍出量(L/分)3.54.13.83.5(0.65、1.27)*全肺血管抵抗(mmHg・分/L)19.915.718.920.2(-7.56、-4.80)**:95%信頼区間において0を含まない場合は有意(p<0.05)とみなした。--------------------------表終了--------------------------運動耐容能の評価である6分間歩行距離(中央値)は、本剤投与群において投与前315.0m、投与終了時362.0m(n=41)、既存療法群において投与前270.0m、投与終了時204.0m(n=40)であった。投与終了時における投与前からの変化量は本剤投与群で47m増加、既存療法群で66m減少し、既存療法群に比較して、本剤投与群において運動耐容能は有意に改善した(p<0.05)。既存療法群に比較して、本剤投与群では、呼吸困難等の自覚症状及び日常生活の制約度に関するアンケート調査で評価したQOLに有意な改善を認めた(p<0.05)。また、既存療法群では試験期間中に8例が死亡したのに対し、本剤投与群での死亡例はなく、生存率は本剤投与群で有意に高かった(p<0.01)。本剤投与群総症例52例中、既存療法群総症例54例との発現頻度差10%以上で報告された主な有害事象は頭痛(83%)、嘔気・嘔吐(67%)、顎痛(54%)、潮紅(42%)、下痢(37%)、悪寒・発熱・敗血症・インフルエンザ様症状(25%)、不安・神経過敏・振戦(21%)であった。17.1.4海外第IV相試験(結合組織病注)に伴う肺動脈性肺高血圧症)結合組織病に伴う肺動脈性肺高血圧症の患者111例を対象とした無作為割付比較試験(既存療法に本剤投与を併用する群:本剤投与群56例、血管拡張薬等の既存療法のみの群:既存療法群55例)において、本剤を12週間投与した。投与開始時の平均投与速度は2.2±0.8ng/kg/分(n=56)、投与開始後1、6、12週目の平均投与速度はそれぞれ4.1±2.0(n=52)、7.4±3.6(n=51)、11.2±5.7(n=51)であり、投与期間の延長に伴い投与量の増量が必要になった。本治験における血行動態の推移を表3に示す。心係数、平均肺動脈圧、肺血管抵抗、平均体血圧、心拍出量、右心房圧、混合静脈血酸素飽和度などの心肺血行動態パラメーターにおいて有意な改善が認められた(p<0.05)。表3血行動態の変化--------------------------表開始--------------------------項目注)本剤投与群(n=56)既存療法群(n=55)95%信頼区間(本剤投与群、既存療法群)開始時12週目開始時12週目心係数(L/分/m2)1.932.442.232.15(-0.81、-0.39)*平均肺動脈圧(mmHg)50.8844.9749.1249.10(2.96、8.98)*肺血管抵抗(mmHg・分/L)14.209.1711.1711.66(3.67、7.33)*平均体血圧(mmHg)92.8084.9889.0788.60(3.20、12.07)*心拍出量(L/分)3.404.294.053.94(-1.42、-0.65)*右心房圧(mmHg)13.1411.7111.1312.24(0.39、4.54)*動脈血酸素飽和度(%)92.6592.8292.5293.06(-2.42、2.45)混合静脈血酸素飽和度(%)57.4161.3858.7659.09(-8.30、-0.94)*肺動脈楔入圧(mmHg)9.279.779.039.63(-1.96、2.64)心拍数(拍/分)83.7086.9184.4682.90(-9.33、0.06)注)調査項目によって症例数は異なる。*:95%信頼区間において0を含まない場合は有意(p<0.05)とみなした。--------------------------表終了--------------------------運動耐容能の評価である6分間歩行距離(中央値)は、本剤投与群において投与前270.0m、投与終了時316.0m(n=55)、既存療法群において投与前240.0m、投与終了時192.0m(n=53)であった。投与終了時における投与前からの変化量は本剤投与群で46m増加、既存療法群で48m減少し、既存療法群に比較し、本剤投与群において運動耐容能は有意に改善した(p<0.0001)。呼吸困難等の自覚症状の改善及び強皮症関連(類縁)症の徴候の改善傾向が認められた。また、死亡例は本剤投与群において4例、既存療法群で5例と生存率に統計的な差は認められなかった。本剤投与群総症例56例中、既存療法群総症例55例との発現頻度差10%以上で報告された主な有害事象は疼痛・頚部痛・関節痛(84%)、顎痛(75%)、食欲不振(66%)、下痢(50%)、頭痛(46%)であった。注)対象となった疾患は、全身性強皮症、限局性強皮症、重複症候群等の強皮症関連(類縁)症である。