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COPD・喘息の早期診断の意義(解説:田中希宇人氏/山口佳寿博氏)
2024/08/09 CLEAR!ジャーナル四天王
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https://www.carenet.com/news/clear/journal/59035
一般名 | サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル吸入剤 |
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YJコード | 2290800G1032 |
剤型・規格 | 経口剤・28ブリスター1キット |
薬価 | 1670.50円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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SMART療法を処方される喘息患者は少ない
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食物アレルギーに対するオマリズマブ(解説:田中希宇人氏/山口佳寿博氏)
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気管支喘息(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)。(効能又は効果に関連する注意)5.1.患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に対し、次の注意を与えること。本剤は発現した発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、急性の発作に対しては使用しないこと〔8.1、8.3、8.10参照〕。5.2.本剤の投与開始前には、患者の喘息症状を比較的安定な状態にしておくこと。特に、喘息発作重積状態又は喘息の急激な悪化状態のときには原則として本剤は投与しないこと。
成人通常、成人には1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして100μgを1日2回吸入投与する。・アドエア100ディスカス1回1吸入。・アドエア50エアゾール1回2吸入。なお、症状に応じて次のいずれかの用法・用量に従い投与する。1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして250μgを1日2回吸入投与。・アドエア250ディスカス1回1吸入。・アドエア125エアゾール1回2吸入。1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして500μgを1日2回吸入投与。・アドエア500ディスカス1回1吸入。・アドエア250エアゾール1回2吸入。小児小児には、症状に応じて次のいずれかの用法・用量に従い投与する。1回サルメテロールとして25μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして50μgを1日2回吸入投与。・アドエア50エアゾール1回1吸入。1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして100μgを1日2回吸入投与。・アドエア100ディスカス1回1吸入。・アドエア50エアゾール1回2吸入。(用法及び用量に関連する注意)症状の緩解がみられた場合は、治療上必要最小限の用量で本剤を投与し、必要に応じ吸入ステロイド剤への切り替えも考慮すること。
(禁忌)2.1.有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の患者[ステロイドの作用により症状を増悪するおそれがある]。2.2.本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。(重要な基本的注意)8.1.本剤は既に起きている気管支喘息の発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、毎日規則正しく使用すること〔5.1参照〕。8.2.過度に使用を続けた場合、サルメテロールのβ1作用により不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあるので、使用が過度にならないよう注意すること。患者、保護者又はそれに代わる者に本剤の過度の使用の危険性を理解させ、1日2回を超え投与しないよう注意を与える(サルメテロールキシナホ酸塩の気管支拡張作用は12時間持続するのでその間次の投与を行わない)〔13.1、13.2参照〕。8.3.本剤の投与期間中に発現する気管支喘息の急性の発作に対しては、短時間作動型吸入β2刺激剤(例えば吸入用サルブタモール硫酸塩)等の他の適切な薬剤を使用するよう患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えること。また、短時間作動型吸入β2刺激剤等の使用量が増加したり、あるいは効果が十分でなくなってきた場合には、疾患の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し医師の治療を求めるよう患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えること〔5.1、8.10参照〕。8.4.感染を伴う喘息症状の増悪がみられた場合には、ステロイド療法の強化と感染症の治療を考慮すること。8.5.本剤の投与を突然中止すると喘息の急激な悪化を起こすことがあるので、投与を中止する場合には患者の喘息症状を観察しながら徐々に減量していくこと。8.6.全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いが、吸入ステロイド剤の投与により全身性作用(クッシング症候群、クッシング様症状、副腎皮質機能抑制、小児成長遅延、骨密度低下、白内障、緑内障、中心性漿液性網脈絡膜症を含む)が発現する可能性がある。特に長期間、大量投与の場合には定期的に検査を行い、全身性作用が認められた場合には患者の症状を観察しながら適切な処置を行うこと〔8.13参照〕。8.7.全身性ステロイド剤の減量は本剤の投与開始後症状の安定をみて徐々に行うこと(減量にあたっては一般のステロイド剤の減量法に準ずる)。8.8.全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って、鼻炎発現・鼻炎増悪、湿疹発現・湿疹増悪、蕁麻疹発現・蕁麻疹増悪、眩暈発現・眩暈増悪、動悸発現・動悸増悪、倦怠感発現・倦怠感増悪、顔のほてり発現・顔のほてり増悪、結膜炎発現・結膜炎増悪等の症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。8.9.慢性閉塞性肺疾患患者を対象とした国内臨床試験及び海外臨床試験において肺炎が報告されたので、一般に肺炎の発現リスクが高いと考えられる患者へ本剤を投与する場合には注意すること〔11.1.3参照〕。8.10.本剤の投与期間中に発現する急性の発作に対して短時間作動型吸入β2刺激剤<例えば吸入用サルブタモール硫酸塩>等の薬剤の使用量が増加したりあるいは効果が十分でなくなってきた場合には、患者の生命が脅かされる可能性があるので、患者の症状に応じてステロイド療法の強化(本剤のより高用量製剤への変更等)を考慮すること〔5.1、8.3参照〕。8.11.本剤を含む吸入ステロイド剤投与後に、潜在していた基礎疾患である好酸球性多発血管炎性肉芽腫症にみられる好酸球増多症がまれにあらわれることがあるが、この症状は通常、全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って発現しており、本剤との直接的な因果関係は確立されていない(本剤の投与期間中は、好酸球数の推移や、他の好酸球性多発血管炎性肉芽腫症症状(しびれ、発熱、関節痛、肺の浸潤等の血管炎症状等)に注意すること)。8.12.本剤は患者の喘息症状に応じて最適な用量を選択する必要があるため、本剤の投与期間中は患者を定期的に診察すること。8.13.吸入ステロイド剤の投与により全身性作用が発現する可能性があるため、吸入ステロイド剤の投与量は患者毎に喘息をコントロールできる最少用量に調節すること〔8.6参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.結核性疾患の患者:ステロイドの作用により症状を増悪するおそれがある。9.1.2.感染症<有効な抗菌剤の存在しない感染症・深在性真菌症を除く>の患者:ステロイドの作用により症状を増悪するおそれがある。9.1.3.甲状腺機能亢進症の患者:甲状腺ホルモンの分泌促進により症状を増悪するおそれがある。9.1.4.高血圧の患者:α及びβ1作用により血圧上昇を起こすおそれがある。9.1.5.心疾患を有する患者:β1作用により症状を増悪するおそれがある。9.1.6.糖尿病の患者:グリコーゲン分解作用及びステロイドの作用により症状を増悪するおそれがある。9.1.7.気管支粘液の分泌が著しい患者:本剤の肺内での作用を確実にするため、本剤の投与開始に先立って、分泌がある程度減少するまで他剤を使用すること。9.1.8.長期又は大量の全身性ステロイド療法を受けている患者:全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払い、また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこと(これらの患者では副腎皮質機能不全となっていることが考えられる)。9.1.9.低酸素血症の患者:血清カリウム値をモニターすることが望ましい(低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある)〔11.1.2参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(β2刺激剤及び副腎皮質ステロイド剤は実験動物で催奇形作用が知られており、大量のサルメテロールキシナホ酸塩(経口:10mg/kg/日)及びフルチカゾンプロピオン酸エステル(皮下:100μg/kg/日)をラットに併用投与したときに催奇形作用(臍ヘルニア)及び胎仔発育抑制が報告されている)。(授乳婦)治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(サルメテロールキシナホ酸塩をラットに大量(1mg/kg)に静脈内投与、あるいはフルチカゾンプロピオン酸エステル10μg/kgをラットに皮下投与したときに乳汁中への移行が報告されている)。(小児等)9.7.1.全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いが、吸入ステロイド剤を特に長期間、大量に投与する場合に成長遅延をきたすおそれがある。長期間投与する場合には吸入ステロイド剤の投与量は患者毎に喘息をコントロールできる最少用量に調節することとし、身長等の経過の観察を十分行うこと。また小児等の使用にあたっては、使用法を正しく指導すること。9.7.2.(1).低出生体重児、新生児又は生後8ヵ月未満の乳児を対象とする有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。(2).生後8ヵ月~4歳の気管支喘息患者を対象とした二重盲検比較試験において、主要評価項目である投与8週時の喘息症状スコアの平均変化量は、本剤群(148例)で-3.97点、フルチカゾンプロピオン酸エステル群(142例)で-3.01点であった(p=0.206)。(高齢者)患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に、生理機能が低下している)。(相互作用)フルチカゾンプロピオン酸エステル及びサルメテロールは、主としてCYP3A4で代謝される〔16.4参照〕。10.2.併用注意:1).CYP3A4阻害作用を有する薬剤:①.CYP3A4阻害作用を有する薬剤(リトナビル等)[副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある(CYP3A4による代謝が阻害されることにより、フルチカゾンプロピオン酸エステルの血中濃度が上昇する可能性がある)。特に、リトナビルとフルチカゾンプロピオン酸エステル製剤の併用により、クッシング症候群、副腎皮質機能抑制等が報告されているので、リトナビルとの併用は治療上の有益性がこれらの症状発現の危険性を上回ると判断される場合に限ること(リトナビルは強いCYP3A4阻害作用を有する、リトナビルとフルチカゾンプロピオン酸エステル製剤を併用した臨床薬理試験において、血中フルチカゾンプロピオン酸エステル濃度の大幅な上昇、また血中コルチゾール値の著しい低下が認められている)]。②.CYP3A4阻害作用を有する薬剤(リトナビル等)[サルメテロールの全身曝露量が増加しQT延長を起こす可能性があるので、ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)、リトナビル等の強いCYP3A4阻害作用を有する薬剤と併用する場合には、注意すること(経口剤のケトコナゾールとサルメテロールを併用した臨床薬理試験において、サルメテロールのCmaxが1.4倍、AUCが15倍に上昇したとの報告がある)]。2).カテコールアミン(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等)〔13.1、13.2参照〕[不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあり、よって、発作時に頓用で用いる場合以外は過度に併用しないよう注意すること(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等のカテコールアミン併用により、アドレナリン作動性神経刺激の増大が起きる。そのため、不整脈を起こすことがある)]。3).キサンチン誘導体〔11.1.2参照〕[低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがあるので、血清カリウム値のモニターを行うこと(キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下を増強することがある)]。4).ステロイド剤、利尿剤〔11.1.2参照〕[低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがあるので、血清カリウム値のモニターを行うこと(ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強することが考えられる)]。(過量投与)13.1.症状サルメテロールの過量投与(用法及び用量を超える量)により頻脈、不整脈、振戦、頭痛及び筋痙攣等、β刺激剤の薬理学的作用による症状が増悪する可能性があり、また、重篤な症状として、低カリウム血症、高血糖、心室性不整脈あるいは心停止等が発現する可能性がある〔8.2、10.2参照〕。フルチカゾンプロピオン酸エステルの過量投与(通常の用法及び用量を超える量等)により副腎皮質機能抑制等の全身性作用がみられることがある。本剤を過量かつ長期間吸入した小児において、低血糖、及びそれに伴う意識低下、痙攣を主な所見とする急性副腎皮質機能不全の発現が報告されている(副腎皮質機能が抑制されている患者においては、外傷、手術、感染、本剤の急速な減量時等に急性副腎皮質機能不全が発現する可能性がある)。13.2.処置過量投与時、本剤の解毒剤は心臓選択性β遮断剤であるが、このような薬剤の使用により気管支攣縮が発現する可能性があるため、使用にあたっては十分に注意すること。過量投与後に本剤を減量する際は、患者の管理を十分に行いながら徐々に行うこと〔8.2、10.2参照〕。(適用上の注意)14.1.薬剤交付時の注意14.1.1.吸入前(1).患者には使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。(2).本剤は防湿のためアルミ包装されているので、使用開始直前にアルミ包装を開封するよう指導すること。14.1.2.吸入時:本剤は口腔内への吸入投与にのみ使用する(内服しても効果はみられない)。14.1.3.吸入後:本剤吸入後に、うがいを実施するよう患者を指導する(口腔内カンジダ症又は嗄声の予防のため)、ただし、うがいが困難な患者には、うがいではなく、口腔内をすすぐよう指導すること。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、気管支攣縮、全身潮紅、血管性浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。11.1.2.重篤な血清カリウム値低下(頻度不明):キサンチン誘導体併用、ステロイド剤併用及び利尿剤併用により血清カリウム値低下増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること〔9.1.9、10.2参照〕。11.1.3.肺炎(3.3%:慢性閉塞性肺疾患患者にアドエア500ディスカスを使用した52週間の国内臨床試験における頻度)〔8.9参照〕。11.2.その他の副作用1).過敏症:(1%未満)発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、口腔咽頭浮腫。2).口腔並びに呼吸器:(1%~10%未満)口腔カンジダ症及び呼吸器カンジダ症、嗄声、口腔刺激感(口腔異和感、口腔疼痛、口腔不快感等)及び咽喉刺激感(咽喉異和感、咽喉疼痛、咽喉不快感等)、口腔感染症並びに呼吸器感染症、(1%未満)味覚異常、(頻度不明)むせ、咳、口内乾燥、*気管支攣縮[*:短時間作動型気管支拡張剤を投与する等の適切な処置を行うこと]。3).循環器:(1%未満)心悸亢進、血圧上昇、不整脈(心房細動、上室性頻脈、期外収縮を含む)、(頻度不明)脈拍増加。4).精神・神経系:(1%未満)頭痛、振戦、睡眠障害、(頻度不明)不安、易刺激性、攻撃性。5).消化器:(1%未満)悪心、腹痛、食道カンジダ症。6).その他:(1%~10%未満)筋痙攣、(1%未満)関節痛、浮腫、高血糖、(頻度不明)鼻炎、胸痛、皮膚挫傷(皮下出血等)。
18.1作用機序サルメテロールキシナホ酸塩は長時間作動型β2刺激剤であり、アデニル酸シクラーゼを活性化し細胞内の環状アデノシン一リン酸を増加させることで、気管支平滑筋を弛緩させる。フルチカゾンプロピオン酸エステルは合成副腎皮質ステロイドであり、グルココルチコイド受容体を刺激することにより抗喘息作用及び抗炎症作用を示す。18.2併用試験(サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステル)18.2.1抗喘息作用(1)サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステルの併用吸入投与により、モルモットにおける卵白アルブミン抗原誘発即時型喘息反応及び遅発型喘息反応を抑制し、気管支肺胞洗浄液中の好酸球増加に対して抑制作用を示した。(2)サルメテロールキシナホ酸塩の吸入投与により、モルモットにおけるヒスタミン誘発気道収縮を抑制し、その作用は6~10時間後に消失した。作用の持続時間は、イソプレナリン、サルブタモール及びプロカテロールより長かった。また、30日間連続吸入投与してもヒスタミン誘発気道収縮の抑制作用に耐性は認められなかった。(3)フルチカゾンプロピオン酸エステルの吸入投与及び気管内投与により、モルモットにおける卵白アルブミン抗原誘発遅発型喘息反応を抑制し、気管支肺胞洗浄液中の好酸球増加に対して抑制作用を示した。好酸球浸潤抑制作用はベクロメタゾンプロピオン酸エステルの約7倍であった。18.2.2慢性閉塞性肺疾患モデルにおける作用(1)サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステルの併用反復吸入投与により、モルモットにおけるタバコ煙誘発気道抵抗増加を抑制し、気管支肺胞洗浄液中の好中球及びマクロファージ増加に対して抑制作用を示した。(2)サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステルの併用反復鼻腔内投与により、マウスにおけるタバコ煙によって誘発される気管支肺胞洗浄液中の好中球、マクロファージ、好酸球、リンパ球及び上皮細胞増加に対して抑制作用を示した。18.3サルメテロールキシナホ酸塩の試験18.3.1気管支拡張作用(1)モルモット摘出気管平滑筋(invitro)をイソプレナリン、サルブタモールとほぼ同等に弛緩した。摘出気管平滑筋(invitro)のヒスタミン誘発収縮に対する抑制作用は、イソプレナリンの約2倍、サルブタモールの約4倍であった。また、イソプレナリン、サルブタモール及びプロカテロールに比べて作用の発現は遅いが、作用持続時間はこれら3剤より明らかに長く、60分以上であった。(2)気管支喘息患者にサルメテロールキシナホ酸塩(サルメテロールとして50μg)を単回吸入投与した場合、投与後30分に肺機能検査値が有意に改善し、作用は12時間持続した。18.3.2β2受容体選択性-心脈管系に対する作用-モルモットの摘出心房(invitro)に対する作用は、イソプレナリン、サルブタモール及びプロカテロールより弱かった。また、吸入投与による心拍数増加はイソプレナリン、プロカテロールより弱く、サルブタモールとほぼ同等であり、β2受容体に対する選択性が高かった。18.3.3気道クリアランスに対する作用(1)麻酔ウズラの気管粘液繊毛輸送能は筋肉内投与により促進される。(2)ラット肺胞II型上皮初代培養細胞(invitro)からの肺表面活性物質の分泌を促進させる。18.4フルチカゾンプロピオン酸エステルの試験18.4.1抗炎症作用(1)ヒト血管収縮作用フルチカゾンプロピオン酸エステルはMcKenzieらの方法による健康成人皮膚における血管収縮試験(皮膚蒼白度を指標)においてベクロメタゾンプロピオン酸エステルの約1.9倍、ベタメタゾン吉草酸エステルの約2.6倍、フルオシノロンアセトニドの約9.5倍の局所抗炎症作用を示した。(2)急性炎症モデルに対する作用ラットにおけるカラゲニン足蹠浮腫抑制作用は、局所投与でフルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル=ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、皮下投与でフルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル>ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの順であった。(3)亜急性・慢性炎症モデルに対する作用ラットを用いたcottonpellet法による肉芽腫増殖抑制作用はフルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル>ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの順であり、crotonoil法による局所投与ではフルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル=ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの順であった。また、ラットのadjuvant関節炎抑制作用は皮下投与で、フルチカゾンプロピオン酸エステルはベタメタゾン吉草酸エステル、ベクロメタゾンプロピオン酸エステルより強い抑制作用を示した。
17.1有効性及び安全性に関する試験〈気管支喘息〉17.1.1国内第III相試験(成人)テオフィリン徐放製剤服用中の成人気管支喘息患者382例(うち368例(96.3%)が吸入ステロイド剤を併用)に対する二重盲検比較試験において、アドエアディスカス(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル50・250μg)、又はフルチカゾンプロピオン酸エステル250μgとテオフィリン徐放製剤200mgの併用をそれぞれ1日2回、8週間投与した時の結果は次表のとおりであった。表‐1朝のピークフロー値の投与前値からの変化量(L/min)--------------------------表開始--------------------------変化量注)群間差[95%信頼区間]アドエアディスカス(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル50・250μg)(n=194)29.8±2.8013.4[6.00、20.86]フルチカゾンプロピオン酸エステル250μgとテオフィリン徐放製剤200mgの併用(n=188)16.3±2.83注)調整済み平均値±標準誤差--------------------------表終了--------------------------副作用発現頻度は、アドエアディスカス投与群で16.0%(31/194例)であった。主な副作用は、嗄声6.7%(13/194例)であった。17.1.2国内第III相試験(成人)成人気管支喘息患者151例を対象にした長期投与試験において、アドエアディスカス(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル50・250μgで開始し、症状に応じて適宜増減可)を52週間投与した時の結果は添付文書の図のとおりであった。図‐1朝のピークフロー値の投与前値からの変化量の推移(平均値±標準誤差)<<図省略>>副作用発現頻度は、25.2%(38/151例)であった。主な副作用は、口腔カンジダ症9.9%(15/151例)及び嗄声8.6%(13/151例)であった。17.1.3海外第III相試験(成人)成人気管支喘息患者に対する12週間の二重盲検比較試験において、アドエアディスカス(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル50・100μg)はサルメテロール50μgの単独投与あるいはフルチカゾンプロピオン酸エステル100μgの単独投与(それぞれ1日2回)に比し、有意差が認められた(本剤による投与前値からの変化量:朝のピークフロー値52.5L/min増加)。副作用発現頻度は、アドエアディスカス投与群で14%(13/92例)であった。主な副作用は、咽喉刺激感4%(4/92例)、嗄声/発声障害3%(3/92例)及び部位不明のカンジダ症3%(3/92例)であった。17.1.4海外第III相試験(成人)成人気管支喘息患者に対する12週間の二重盲検比較試験において、アドエアディスカス(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル50・250μg)はサルメテロール50μgの単独投与あるいはフルチカゾンプロピオン酸エステル250μgの単独投与(それぞれ1日2回)に比し、有意差が認められた(本剤による投与前値からの変化量:朝のピークフロー値53.5L/min増加)。副作用発現頻度は、アドエアディスカス投与群で8%(7/84例)であった。主な副作用は、口腔/咽喉カンジダ症4%(3/84例)であった。17.1.5海外第III相試験(成人)成人気管支喘息患者に対する28週間の二重盲検比較試験において、アドエアディスカス(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル50・500μg)はフルチカゾンプロピオン酸エステル500μgの単独投与(それぞれ1日2回)に比し、有意差が認められた(本剤による投与前値からの変化量:朝のピークフロー値35L/min増加)。副作用発現頻度は、アドエアディスカス投与群で17%(28/167例)であった。主な副作用は、呼吸障害3%(5/167例)であった。17.1.6海外第III相試験(成人)吸入ステロイド剤未使用患者からベクロメタゾンプロピオン酸エステル1000μg等量/日までを使用している多様な重症度の成人気管支喘息患者3416例を対象にアドエアディスカスを52週間漸増投与した結果、「喘息コントロール」の7項目注)(喘息症状、発作治療薬の使用、肺機能、夜間覚醒、喘息の増悪、救急受診及び副作用)のうち6項目以上達成した患者(well‐controlled)は71%、7項目全て達成した患者(totalcontrol)は41%であった。注)GlobalInitiativeforAsthma及びNationalInstitutesofHealth(米国)ガイドラインを参考に事前に定義した。副作用発現頻度は、アドエアディスカス投与群で10%(174/1709例)であった。主な副作用は、嗄声3%(54/1709例)及び口腔カンジダ症2%(31/1709例)であった。17.1.7国内第III相試験(小児)フルチカゾンプロピオン酸エステル100μg/日服用中の小児気管支喘息患者48例に対する交叉比較試験において、アドエアエアゾール(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル25・50μg)1吸入、又はサルメテロール25μgとフルチカゾンプロピオン酸エステル50μgの併用をそれぞれ1日2回、4週間投与した時の結果は次表のとおりであった。さらに、交叉比較試験終了後、アドエアエアゾール(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル25・50μg)を1吸入、1日2回、20週間延長投与した結果、交叉比較試験終了時にみられた朝のピークフロー値の改善は投与期間を通して維持された。表‐2朝のピークフロー値の投与前値からの変化量(L/min)--------------------------表開始--------------------------変化量注)群間差[95%信頼区間]アドエアエアゾール(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル25・50μg)(n=48)14.3±4.532.8[-9.10、14.69]サルメテロール25μgロタディスクとフルチカゾンプロピオン酸エステル50μgロタディスクの併用(n=48)17.1±4.53注)調整済み平均値±標準誤差--------------------------表終了--------------------------交叉比較試験において、副作用はみられなかった。延長投与試験において、副作用は肝機能検査異常2.0%(1/50例)がみられた。17.1.8国内第III相試験(小児)小児気管支喘息患者40例に対する長期投与試験において、アドエアエアゾール(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル25・50μg)2吸入、1日2回、24週間投与した時の血漿コルチゾール値、収縮期血圧、拡張期血圧及び脈拍数に変動はみられなかった。また、朝のピークフロー値の投与前値からの変化量は32.9L/minであった。副作用は、振戦2.5%(1/40例)がみられた。〈慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解〉17.1.9国内第III相試験慢性閉塞性肺疾患患者227例に対する二重盲検比較試験において、サルメテロール50μgを1日2回、4~12週間投与した後にアドエアディスカス(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル50・250μg)を1日2回、4~12週間投与した結果、サルメテロール投与時をベースラインとした本剤投与4週時における朝のFEV1の改善量(平均値±標準偏差[95%信頼区間])は0.022±0.1133L[0.0068、0.0364]であり、有意な改善が認められた。副作用発現頻度は、アドエアディスカス投与期間で20.4%(47/230例)であった。主な副作用は、発声障害10.0%(23/230例)及び口腔カンジダ症4.3%(10/230例)であった。17.1.10海外第III相試験慢性閉塞性肺疾患患者723例に対する24週間の二重盲検比較試験において、アドエアディスカス(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル50・250μg)はプラセボ、サルメテロールあるいはフルチカゾンプロピオン酸エステルに比し肺機能を有意に改善した(本剤によるベースラインからの改善:朝のFEV10.165L増加)。副作用発現頻度は、アドエアディスカス投与群で20%(36/178例)であった。主な副作用は、口腔/咽喉カンジダ症9%(16/178例)、咽喉刺激感4%(7/178例)及び嗄声/発声障害4%(7/178例)であった。17.1.11海外第III相試験慢性閉塞性肺疾患患者1050例に対する24週間の二重盲検比較試験において、アドエアディスカス(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル50・250μg)はサルメテロールに比し肺機能を有意に改善した(本剤によるベースラインからの改善:朝のFEV10.060L増加)。また、アドエアディスカス及びサルメテロールにおいて呼吸困難(BaselinedyspneaindexとTransitiondyspneaindexを用いて評価)の改善がみられたが、投与群間に有意差はなかった。副作用発現頻度は、アドエアディスカス投与群で5%(28/518例)であった。主な副作用は、口腔カンジダ症2%(8/518例)であった。17.1.12海外第IV相試験慢性閉塞性肺疾患患者に対する52週間の二重盲検比較試験において、アドエアディスカス(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル50・250μg)はサルメテロールに比し中等度又は重度の慢性閉塞性肺疾患の増悪の回数を有意に減少させた(本剤のサルメテロールに対する中等度又は重度の増悪回数の減少率:30.4%)。(表‐3)表‐3慢性閉塞性肺疾患の増悪注1)に対する効果--------------------------表開始--------------------------薬剤症例数慢性閉塞性肺疾患の増悪発現頻度(回/年)リスク比注2)[95%信頼区間](p値)アドエア250ディスカス3851.100.696[0.583、0.831](p<0.001)サルメテロール3931.59注1)経口ステロイド剤又は抗菌剤を必要とした増悪あるいは入院を必要とした増悪を中等度又は重度の慢性閉塞性肺疾患の増悪と定義した。注2)アドエア/サルメテロール比--------------------------表終了--------------------------副作用発現頻度は、アドエアディスカス投与群で12%(49/394例)であった。主な副作用は、咽頭痛3%(13/394例)であった。17.1.13海外第IV相試験慢性閉塞性肺疾患患者に対する52週間の二重盲検比較試験において、アドエアディスカス(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル50・250μg)はサルメテロールに比し中等度又は重度の慢性閉塞性肺疾患の増悪の回数を有意に減少させた(本剤のサルメテロールに対する中等度又は重度の増悪回数の減少率:30.5%)。(表‐4)表‐4慢性閉塞性肺疾患の増悪注1)に対する効果--------------------------表開始--------------------------薬剤症例数慢性閉塞性肺疾患の増悪発現頻度(回/年)リスク比注2)[95%信頼区間](p値)アドエア250ディスカス3911.060.695[0.582、0.830](p<0.001)サルメテロール3851.53注1)経口ステロイド剤又は抗菌剤を必要とした増悪あるいは入院を必要とした増悪を中等度又は重度の慢性閉塞性肺疾患の増悪と定義した。注2)アドエア/サルメテロール比--------------------------表終了--------------------------副作用発現頻度は、アドエアディスカス投与群で15%(60/394例)であった。主な副作用は、咽頭痛6%(25/394例)及び発声障害3%(10/394例)であった。