統合失調症の病態にメラトニンが関与?! 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/06/15 統合失調症におけるメラトニンの関与はこれまであまり議論されていない。Anderson氏らはメラトニンと統合失調症の罹患、神経免疫や酸化性病態生理、睡眠障害を含む特異的な症状、サーカディアンリズム、遅発性ジスキネジアやメタボリックシンドロームを含む抗精神病薬の副作用との関係をレビューした。Metab Brain Dis誌2012年6月号掲載(オンライン版2012年4月25日号)。電子データベース(PubMed、Scopus、Google Scholar)よりメラトニンと統合失調症、精神障害、遅発性ジスキネジア、抗精神病薬、メタボリックシンドローム、薬剤性副作用をキーワードとし、統合失調症の病因、経過、治療に関連した論文を抽出した。主な結果は以下のとおり。 ・統合失調症患者ではメラトニン濃度とメラトニン・サーカディアンリズムが有意に減少する。・統合失調症患者に対するメラトニン補助療法は、抗炎症作用および抗酸化作用により抗精神病薬の効力を増強する可能性がある。・メラトニンは統合失調症患者の睡眠障害や抗精神病薬による副作用(遅発性ジスキネジア、メタボリックシンドローム、高血圧など)を改善する可能性がある。・メラトニンはストレス反応とコルチゾール分泌を介して、トリプトファン代謝経路に影響を与え、認知に関連する皮質(扁桃体反応、線条体の処理機能)へ影響を与える。・統合失調症ではメラトニンの分泌が減少しており、それが病因(病態や治療)と関与している。・メラトニンは統合失調症患者の平均寿命に影響を与える抗精神病薬の代謝系副作用に関与すると考えられる。(ケアネット 鷹野 敦夫)関連医療ニュース ・日本おける抗精神病薬の用量はアジア各国と比較し、まだ多い―REAP調査― ・精神疾患患者におけるメタボリックシンドローム発症要因は? ・統合失調症の高感度スクリーニング検査 「眼球運動検査」 原著論文はこちら Anderson G, et al. Metab Brain Dis. 2012; 27: 113-119. Epub 2012 Apr 25. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 統合失調症患者の死亡率に関する30年間のフォローアップ調査 医療一般(2018/07/12) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 60歳以上へのRSVワクチン、承認後初のシーズンの有効性/Lancet(2024/11/01) 異常降雨が全死亡リスクと関連、心血管・呼吸器疾患死亡も/BMJ(2024/11/01) 糖尿病、脳卒中合併高血圧でも積極的降圧が有効―とはいうが、COVID-19ロックダウン下の中国で大規模臨床試験を強行したことに驚き(解説:桑島巌氏)(2024/11/01) 薬物乱用頭痛に対する薬物療法の比較〜ネットワークメタ解析(2024/11/01) 骨髄線維症に10年ぶりの新薬、貧血改善が特徴/GSK(2024/11/01) お茶やベリー類など、フラボノイド摂取が認知症リスクを低下(2024/11/01) 重症の新型コロナ感染者の心臓リスクは心疾患既往者のリスクと同程度(2024/11/01) 救急外来でのChatGPTの活用は時期尚早(2024/11/01) 幸福感が脳卒中や心筋梗塞からあなたを守る(2024/11/01) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)