BDI-IIのカットオフ値で増加する青年期うつ病を早期発見

提供元:ケアネット

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公開日:2012/07/02

 

 近年、わが国におけるうつ病患者数は増加の一途をたどっている。とくに、青年期のうつ病が増えており、日本人の青年は諸外国と比較しうつ病になりやすいとも言われている。うつ病の評価尺度としてベック抑うつ評価尺度(BDI)が汎用されているが、青年期のうつ病の早期発見に有効かどうかは明らかになっていない。Pietsch氏らはBDI-Second Edition(BDI-II)やBDI -Fast Screen(BDI-FS)が青年期うつ病の早期発見に有効かどうかについて検討を行った。Psychother Psychosom Med Psycholオンライン版2012年6月21日付の報告。

BDI-IIとBDI-FS(7項目)のカットオフ値を提示した

 小児科および小児外科クリニックを受診している13~16歳の患者314例のうち5.7%が小児の心理状態診断検査(Kinder-DIPS )にて大うつ病であった。ROC曲線 により、ACUや最適なカットオフ値を算出した。

 BDI-IIやBDI-FSが青年期のうつ病の早期発見に有効かどうか検討した主な結果は以下のとおり。

・BDI-IIの有用性が示された(AUC=0.93、感受性:0.86、特異性:0.93、最適なカットオフ値:19以上)。
・BDI-FSの有用性についてもBDI-IIと有意差は認められなかった (AUC=0.92、感受性:0.81、特異性:0.90)。
・小児医療における青年期うつ病の早期発見のために、初めてドイツ版BDI-IIとBDI-FS(7項目)のカットオフ値を提示した。

(ケアネット 鷹野 敦夫)