Stephenson氏らは経口第二世代抗精神病薬を服用している患者について、医師が認識しているアドヒアランスと患者による薬局への薬剤請求から判定した実際のアドヒアランスを比較し、「医師が思っているよりも患者のアドヒアランスは良好でないため、再発予防も見据え適切な介入を行うことが重要である 」と結論づけた。本報告はInt J Clin Pract誌6月号(オンライン版5月11日号)に掲載された。
ヘルスコア統合研究データベースをもとに、1剤以上の第二世代抗精神病薬を処方された統合失調症または双極性障害患者の薬剤請求データから処方医師を抽出し、1~2名の担当患者の服薬アドヒアランスの評価と1年間の第二世代抗精神病薬のアドヒアランスとの関係をインターネット調査により収集した。医師により調査されたアドヒアランスは同期間の薬局から薬剤を請求と照らし合わせ比較をおこなった。
主な結果は以下のとおり。
・153名の医師が調査に協力し、214例(統合失調症:44例、双極性障害:162例、双極性障害および統合失調症:8例)の患者が抽出された。
・60%の医師は正式なアドヒアランスに関するトレーニングを受けていなかった。
・医師の2/3以上(68%)がアドヒアランスは重要であると考えており、担当患者の約76%はアドヒアランス良好であると回答した。
・統合失調症患者において、アドヒアランス不良~中程度(アドヒアランス70%以下)であった17例中16例(97%)に対し、医師はアドヒアランス良好(アドヒアランス71%以上)であると回答した。
・双極性障害患者において、アドヒアランス不良~中程度であった92例中62例(67%)に対し、医師はアドヒアランス良好であると回答した。
(ケアネット 鷹野 敦夫)