CDR-SBとは軽度認知障害の診断・治療に有効な評価尺度

アルツハイマー型認知症(AD)の治療において早期の治療介入は有用であるが、早期診断を行う上で課題がある。Cedarbaum氏らは軽度ADや軽度認知障害 (MCI)の臨床試験に用いる評価尺度として臨床的認知症重症度判定尺度(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes:CDR-SB)が精神症状の測定に有用であるかをAlzheimer's Disease Neuroimaging Initiative (ADNI)のデータベースを使用し評価した。Alzheimers Dement誌オンライン版2012年5月31日掲載。
CDR-SBを軽度ADおよびMCI患者382例を対象に評価した
ADNI試験にエントリーした軽度ADおよびMCI患者382例を対象に、CDR-SBの内的整合性、構造的妥当性、収束的妥当性、2年間の内在的および外的な反応を評価した。軽度ADやMCIの臨床試験に用いる評価尺度としてCDR-SBが精神症状の測定に有用であるかを評価した主な結果は以下のとおり。
・CDR-SBはAD患者の認知障害および機能障害を評価することが可能である。
・MCI、軽度ADどちらにおいてもCDR-SBスコア 、認知障害スコア、機能障害スコアの平均値はほぼ直線的に減少 した。
・AD患者の認知障害および機能障害を包括的に評価する主要評価尺度としてCDR-SBは有用である。
・とくに、CDR-SBはMCIや軽度AD患者の研究に役立つ可能性がある。
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(ケアネット 鷹野 敦夫)
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