統合失調症患者では肥満や糖尿病の罹患率が高く、とくに抗精神病薬の使用でこれらの発生率 が上昇することが問題となっている。脂質異常症もまた、統合失調症患者によくみられる合併症のひとつである。Hsu氏らは台湾の統合失調症患者における脂質異常症の罹患率・発症率を調査し、Gen Hosp Psychiatry誌2012年7月号(オンライン版2012年3月27日号)で報告した。
2005年、18歳以上の766,427人の被験者を無作為抽出し、統合失調症の診断を受けた患者、脂質異常症を有する患者または薬物治療を行っている患者 を特定したうえで、統合失調症患者の脂質異常症の罹患率および発症率を一般集団と比較検討した。
主な結果は以下のとおり。
・統合失調症患者における脂質異常症の罹患率は一般集団より高かった(8.15% vs 8.10%、オッズ比:1.17、95%信頼区間:1.04~1.31)。
・リスクファクターは、50歳以上、高保険料支払者、台湾北部または中部・都市部の生活者であり、青年期で非常に高い脂質異常症の罹患率であった。
・2006年~2008年に第二世代抗精神病薬を使用していた統合失調症患者の脂質異常症平均年間発症率は、一般集団より高かった(1.57% vs 1.29%、オッズ比:1.31、95%信頼区間:1.11~1.55)。
(ケアネット 鷹野 敦夫)
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