双極性I型障害におけるアリピプラゾールの有効性-AMAZE試験より-

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2012/05/17

 



2012年、抗精神病薬アリピプラゾールは、日本における「双極性障害における躁症状の改善」の効能追加を取得した。九州大学の神庭氏らはアジアの双極性I型障害患者における急性躁病または混合性エピソードに対するアリピプラゾールの有効性および忍容性を調査し、発表した。

258例の双極I型障害患者をアリピプラゾール(24mg/日)群128例とプラセボ群に無作為に割り付け、3週間後の有効性および忍容性を評価した。有効性はヤング躁病評価尺度(YMRS)トータルスコアの平均ベースラインからの変化量にて評価した。

主な結果は以下のとおり。

1)本試験完了は136例(アリピプラゾール群:56.3%、プラセボ群:49.2%)であった。
2)アリピプラゾール群のうち92.6%の患者は24mg/日で投与が継続された。
3)YMRSトータルスコアの変化量はアリピプラゾール群で有意に高かった(-11.3 vs -5.3、p<0.001)。
4)アカシジア発現率(22.0% vs 5.6%)、不眠症発現率(16.3% vs 9.6%)であった。
5)体重変化は両群間で有意な差は認められなかった(-0.4kg vs -0.7kg、p=0.231)。
6)アリピプラゾール群は血清プロラクチン値への影響は認められなかった。