他SSRI切替、どの程度の効果?:北海道大学

提供元:ケアネット

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公開日:2012/08/28

 

 現在わが国では、うつ病患者に対し複数のSSRIが使用可能である。また、SNRIやNaSSAなど新たな作用機序を有する抗うつ薬も発売され、うつ病の治療選択肢は広がった。うつ病治療においては、寛解を目指すことが求められるが、最初に選択した薬剤で必ずしも寛解を達成できるわけではない。そのような際、第1選択薬のSSRIから同様なセロトニンの再取り込みを阻害作用を有するほかのSSRIへ切り替えることは、臨床的にメリットがあるのだろうか?
 北海道大学 井上氏らは未寛解や治療不耐性の大うつ病患者に対し、ほかのSSRIからセルトラリンに切り替えた際の、長期有効性および安全性を検討した。Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry誌2012年8月7日号の報告。

 対象は、パロキセチンまたはフルボキサミンを十分な量、十分な期間投与したにもかかわらず寛解未達成またはSSRIに耐性を示した大うつ病患者25例(非寛解例:22例[88%])。セルトラリンへの切り替えは漸増漸減法にて行われた。評価は、QIDS-SRJ(自己記入式簡易抑うつ症状尺度日本語版)、HDRS(ハミルトンうつ病評価尺度)、CGI(臨床全般印象度)を用い、試験開始時および切り替え後1、2、3、4、6、8、12、16、20、24週目に行った。

主な結果は以下のとおり。

・副作用および効果不十分のため8週目以前に治療を中止した症例は5例(20%)であった。
・QIDS-SRJ、HDRSの平均スコアはベースラインと比較し、切り替え後8、24週目で有意に改善した。
・寛解(QIDS-SRJが5点以下)を達成した症例は、8週目で2/25例(8%)、24週目で4/25例(16%)であった。
・8、24週目の治療反応例(QIDS-SRJがベースラインから 50%以上低下)は、11/25例(44%)であった。

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(ケアネット 鷹野 敦夫)

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