SPECT画像診断による前頭部脳血流評価で、大うつ病高齢者のSSRI有効性を予測 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/10/05 大分大学医学部精神神経医学講座の花田氏らは、大うつ病性障害(MDD)高齢者のSSRI効果を事前に予測可能か、SSRIに対する反応とSPECT画像診断の結果との関連を評価した。その結果、SSRIに非反応であったMMD高齢者では、主として内側前頭前皮質に低灌流がみられるなど、有意な関連が認められた。著者は「ベースラインでの前頭部の局所脳血流(rCBF)高値が、SSRIの治療効果が期待できる人であることを示す可能性はある」と結論している。Int J Geriatr Psychiatry誌オンライン版2012年9月25日号の掲載報告。 MDD高齢者における局所脳血流(rCBF)の低下が、SSRI治療の特異的なパラメーターに依存しているのかを検討し、SSRI治療の有効性についても調べた。 中等度のMMD患者45例に対しSSRI治療を8週間行い追跡した。12例はSSRIに有効反応を示したが、33例はSSRIに反応がみられなかった。30例のボランティア健常者も比較対象群として検討に加え、全被験者の年齢は50歳超であった。 評価は、年齢、性、ハミルトンうつ病評価スコアを調べ、SSRI治療後に99mTc-ECD SPECTを用いてrCBFを評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・SSRIに反応しなかったMMD患者の右内側前頭前皮質のrCBFは、反応がみられたMDD患者群よりも低値であった。 ・健常者群と比較して非反応群は、両内側前頭前皮質と島のrCBFが有意に低値であり、両下位前頭前皮質のrCBFと左内側前頭前皮質のrCBFは有意に高値であった。 ・一方で反応群では、治療前と治療後でSPECTにおける変化は認められなかった。 関連医療ニュース ・PETでみるアリピプラゾール薬理作用「なぜ、EPSが少ないのか」 ・他SSRI切替、どの程度の効果? ・検証「グルタミン酸仮説」統合失調症の病態メカニズム (ケアネット) 原著論文はこちら Hanada H et al. Int J Geriatr Psychiatry. 2012 Sep 25. doi: 10.1002/gps.3887. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発を伴わない二次性進行型多発性硬化症、tolebrutinibが障害進行リスク抑制/NEJM(2025/04/25) 米国出生率、中絶禁止導入州で上昇/JAMA(2025/04/25) 症状のない亜鉛欠乏症に注意、亜鉛欠乏症の診療指針改訂(2025/04/25) サブタイプ別転移乳がん患者の脳転移発生率、HER2低発現の影響は(2025/04/25) 2年間のフレマネズマブ治療の有効性および継続性〜国内単一施設観察研究(2025/04/25) 遺伝性アルツハイマーへのgantenerumab、発症リスク低下に有効か(2025/04/25) tenecteplase、脳梗塞治療でアルテプラーゼと同等の効果(2025/04/25) 低ホスファターゼ症の新たな歯科症状が明らかに―全国歯科調査(2025/04/25)