不眠症の人にはリラクゼーショントレーニングが推奨されるが、実際にどのように利用されているのかは明らかとなっていない。米国・ハーバードメディカルスクールのSuzanne M. Bertisch氏らは、不眠症の米国成人が、どのようなリラクゼーション法や補完代替医療(CAM)を利用しているのかについて、全米調査の結果を解析した。その結果、リラクゼーション法やCAMの利用はあるが、不眠症のために利用している人は少ないことが判明したという。結果を踏まえて著者は、「リラクゼーション法についてディカッションを促すことが、不眠症のための利用を促進することにつながるのではないか」と提案している。Journal of Clinical Sleep Medicine誌2012年12月15日号の掲載報告。
研究グループは、不眠症の人のリラクゼーション法およびCAMの利用パターンと、それを利用している理由を調べるため、2007全米健康インタビューサーベイ(2万3,358人)の結果を分析した。サーベイで不眠症を申告した成人(4,415人)を有病者と推定し、リラクゼーション法などの利用状況・理由や医療関係者に自分の利用状況を開示しているかについて調べた。ロジスティック回帰分析にて、リラクゼーション法およびCAMの利用と不眠症状との補正後関連を評価した。
主な内容は以下のとおり。
・不眠症を申告した4,415人のうち、23%がリラクゼーション法を、45%がCAMを利用していた。
・不眠症を申告した人は申告しなかった人よりも、リラクゼーション法(補正後OR:1.48、95%CI:1.32~1.66)やCAM(同:1.29、1.15~1.44)の利用傾向が高かった。
・最もよく利用されていたリラクゼーション法は、深呼吸エクササイズであった。
・不眠症緩和を目的にCAMを利用している不眠症の人は、2%足らずであった。
・不眠症の人で、医療関係者に自分が利用しているリラクゼーション法を開示している人は26%のみであった。
・リラクゼーション法の利用傾向が低い不眠症の人は、男性、低教育レベル、低身体活動度、収入2万ドル未満、南部に居住、高血圧の人であった。
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(ケアネット)