調査:統合失調症患者における抗精神病薬の服薬状況

提供元:ケアネット

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公開日:2013/03/26

 

 統合失調症患者において、アドヒアランスは患者の予後を決定する重要な要因のひとつである。スペイン領カナリア諸島保健サービスのFrancisco J. Acosta氏らは、統合失調症患者における抗精神病薬の服薬状況を調査した。その結果、1日の服薬回数や指示された服薬時間が遵守されていないなど、服薬アドヒアランスが不良である実態を報告した。Schizophrenia Research誌オンライン版2013年3月7日号の掲載報告。

 本研究では、統合失調症の外来患者74例を対象に、治療薬の投与プロファイルに関する正確な情報を提供するMedication Event Monitoring System(MEMS®)を用いた3ヵ月間モニタリング調査を行った。抗精神病薬の投与プロファイル、治療スケジュールの影響、MEMS®使用によるホーソン効果を評価した。なお、治療スケジュールの影響については、関連する因子、治療に対するアドヒアランス(指示された時間枠内での服薬)を検討した。

主な結果は以下のとおり。

・モニタリング日数の18.7%に非服薬日が認められ、そのほぼすべてが週末であった。
・処方された用量の約3分の1が、指示された時間外に服薬されていた。
・抗精神病薬の服薬に当たり、1日の服薬回数、指示された服薬時間(朝食、夕食)のいずれも遵守されていなかった。
・過量服薬は概してまれであった。
・指示された時間枠外での服薬がしばしばみられた。
・MEMS®使用によるホーソン効果はみられなかった。
・アドヒアランスを“指示された時間枠内での服薬”を含めて定義した場合、服薬遵守率はわずか35%であった。
・以上より、統合失調症患者における抗精神病薬の服薬はかなり不規則であることがわかった。非服薬日を減らし、指示された時間枠内での服薬を増やす戦略が必要だと思われた。経口抗精神病薬の正確な投与プロファイル、あるいは治療スケジュールの影響を把握することは、アドヒアランス向上に向けた戦略の考案に有用と思われた。

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(ケアネット)