統合失調症認知評価尺度SCoRS、臨床での有効性を実証 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/04/08 イタリア・ブレシア大学のAntonio Vita氏らは、統合失調症患者の認知パフォーマンス測定に有効とされる統合失調症認知評価尺度(Schizophrenia Cognition Rating Scale:SCoRS)について、臨床における有効性を検証した。その結果、有効性が示され、心理社会的機能の評価にも有効で、とくに安定期の統合失調症患者に有用であることを報告した。Schizophrenia Research誌オンライン版2013年3月16日号の掲載報告。 研究グループは、イタリアの精神科医療システムの代表的な治療設定下において、SCoRSの有効性を検証することを目的とした。病期や治療環境が異なる統合失調症患者86例にSCoRSを適合し、その信頼性を評価し、SCoRSの総評価値と神経認知、臨床的、心理社会的機能との関連を調べた。 主な結果は、以下のとおり。 ・SCoRSの評価者間信頼性、および再テスト信頼性は高かった。 ・臨床的に安定期にある患者において、SCoRS総評価値は下記の評価に関して有意であった。 認知パフォーマンスの複合スコア(総認知指数:r=-0.570、p<0.001) 症状[陽性・陰性症状スケール(PANSS):r=0.602、p<0.001] 心理社会的機能[機能の全体的評定尺度(GAF):r=-0.532、p<0.001/Health of the Nation Outcome Scale(HoNOS):r=-0.433、p<0.001] ・一方でこうした関連は、直近の入院患者では認められなかった。 ・神経心理および機能的測定値について、症状が重度な患者、とくに陽性症状が重度である患者では、ほとんど関連が認められなかった。 関連医療ニュース ・統合失調症患者の社会的認知機能改善に期待「オキシトシン」 ・統合失調症の遂行機能改善に有望!グルタミン酸を介した「L-カルノシン」 ・認知機能への影響は抗精神病薬間で差があるか? (ケアネット) 原著論文はこちら Vita A et al. Schizophr Res. 2013 Mar 16. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新PCIデバイスbioadaptor、アウトカム改善の可能性/Lancet(2024/11/13) 糞便中ヘリコバクター・ピロリ抗原検査を用いた検診は胃がん予防に有効か(解説:上村直実氏)(2024/11/13) 市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性(2024/11/13) 本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会(2024/11/13) 乾癬への生物学的製剤、真菌感染症のリスクは?(2024/11/13) MCIの認知機能改善に、最適な運動とその量は?~ネットワークメタ解析(2024/11/13) 尿路上皮がん1次治療の更新は30年ぶり、ペムブロリズマブ+EV併用療法とは/MSD(2024/11/13) 米国成人の10人に6人は炎症誘発性の食生活(2024/11/13) 急性白血病の発症時点でさまざまな眼科所見が観察される(2024/11/13)