統合失調症と統合失調感情障害、鑑別のポイント 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/04/11 統合失調症と統合失調感情障害は、診断可能な異なる疾患なのか。診断的または臨床的に共通する部分があり、疾病分類学上の重大な問題となっている本課題について、オーストラリア・メルボルン大学のS.M. Cotton氏らは、初回エピソードに着目して、両者の違いをみた。その結果、さらなる検証は必要だが、両者は識別可能な疾患であるという概念を支持する所見が得られたことを報告した。Schizophrenia Research誌オンライン版2013年3月22日号の掲載報告。 本研究は、大規模コホート研究First Episode Psychosis Outcome Study(FEPOS)の一環として行われた。FEPOSは1998~2000年の間に、メルボルンにある早期精神病予防介入センターで治療を受けた全患者786例を対象とした診療録解析コホート研究であった。 研究グループは、そのうち退院後18ヵ月を経過した統合失調症または統合失調感情障害の初回エピソード患者のコホートを対象とし、両者の臨床的または機能的な特性について、2人の精神科専門医がDSM-IV診断と臨床的・機能的評価を行い比較した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象コホートは、統合失調症群283例、統合失調感情障害群64例であった。 ・統合失調症患者と比較して、統合失調感情障害患者は有意に発症年齢が遅く(p=0.004)、前駆期が長く(p=0.020)、未治療期間が長かった(p<0.001)。 ・統合失調感情障害患者のほうが介入開始時点での疾患重症度が高く(p=0.020)、大半が重度の躁症状を有していた(p<0.001)。 ・また、統合失調感情障害患者のほうが、その後に入院治療を受けたケースが多く(p=0.017)、抑うつ症状が重度であった(p=0.011)。退院時の機能的評価は高かった。 関連医療ニュース ・抗精神病薬投与前に予後予測は可能か? ・統合失調症の発症に、大きく関与する遺伝子変異を特定 ・認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 (ケアネット) 原著論文はこちら Cotton SM et al. Schizophr Res. 2013 Mar 22. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21)