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アルツハイマー病の進行抑制に関わる脳内分子を特定 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/07/12 カナダ・ダルハウジ大学のAutumn R. Meek氏らは、ヒト脳内に存在する内因性分子の特定を試み、それらのβ-アミロイド領域への親和性ならびにβ-アミロイド凝集抑制作用を検討した。その結果、L-PSと3-HAAという2種類の内因性脳内分子を特定し、それらがβ-アミロイド領域に結合し、凝集を抑制することを報告した。Journal of Psychiatry & Neuroscience誌2013年7月号の掲載報告。 アルツハイマー病は神経細胞が破壊される疾患で、顕著な個体内変動がみられる。本研究は、ヒト脳内に内因性分子が存在し、アルツハイマー病の進行を抑制あるいは緩徐にする凝集抑制活性を発揮しているのではないかという仮定の下、実施された。in silico(コンピュータ上の実験)において、内因性小分子であるL-ホスホセリン(L-PS)および3-ヒドロキシアントラニル酸(3-HAA)の、タンパク質misfoldingの責任領域であるβ-アミロイド標的部位への親和性を検討した。さらに、in vitroにおいてこれら分子の各種濃度での凝集抑制作用を検討した。 主な結果は以下のとおり。 ・in silicoの検討により、L-PSと3-HAAはmisfolding が惹起されているβ-アミロイドのhistidine13-histidine-glutamine-lysine16(HHQK)領域に結合できることが示された。 ・これらの相互作用は強力であった。 ・in vitroの検討により、L-PSと3-HAAともに用量依存的にβ-アミロイドの凝集を抑制し、その作用はL-PSよりも3-HAAのほうが強力であった。 ・本研究は、in vivoではなくin silicoおよびin vitroであるという点で限界がある。 ・本研究から、L-PSおよび3-HAAという2種類の内因性の脳内分子が、タンパク質misfoldingにより神経毒性を惹起するβ-アミロイドの領域に結合しうることがわかった。 ・また、L-PSと3-HAAは、各種濃度でβ-アミロイドの凝集を抑制した。脳内におけるこれら分子の濃度がβ-アミロイドの凝集を抑制あるいは緩徐にする効果に影響を及ぼす可能性がある。 関連医療ニュース アルツハイマー病の早期ステージに対し、抗Aβ治療は支持されるか? Aβ沈着は認知機能にどのような影響を与えるか 治療介入により認知症発症率はどこまで減らせるか? (ケアネット) 原著論文はこちら Meek AR et al. J Psychiatry Neurosci. 2013 Jul;38(4):269-75. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発・難治性DLBCL、複数の分子標的薬を含む5剤併用療法が有効/NEJM(2024/07/02) 心房細動とその合併症の生涯リスクの2000~22年における経時的変化:デンマークの一般住民を対象とした全国規模のコホート研究(解説:原田和昌氏)(2024/07/02) 臨床現場で認知症やMCI患者のアドヒアランスは把握可能か(2024/07/02) ライフステージごとの運動で健康寿命の延伸を目指す/日医(2024/07/02) プラネタリーヘルスダイエットは地球と人間の健康を促進する(2024/07/02) ニルマトレルビル/リトナビル、long COVIDに対する効果が認められず(2024/07/02) キシリトールの摂取は心血管イベントのリスクを高める(2024/07/02) 問題飲酒につながる仕事の特性(2024/07/02)