認知症に対するアロマテラピー、効果はあるか

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2013/08/15

 

 アロマテラピーやハンドマッサージが認知症患者にいくつかの利点をもたらすことが報告されている。オーストラリアのChieh-Yu Fu氏らは、長期介護施設で生活する認知症患者における破壊的行動にアロマテラピーやハンドマッサージが有用かを、単盲検比較試験にて検討した。BMC complementary and alternative medicine誌オンライン版2013年7月10日号の報告。

 本試験では、介護施設3施設に入所する破壊的行動経験を有する認知症患者67例を、以下の3群に無作為に割り付けた。1群はアロマテラピー(3%ラベンダー油スプレー)+ハンドマッサージ:22例、2群はアロマテラピーのみ:23例、3群はプラセボ群(水スプレー):22例とし、1日2回、6週間実施した。評価には、コーエン・マンスフィールドagitation評価票(CMAI)、ミニメンタルステート検査(MMSE)を使用し、介入前、介入中および介入後に行った。

 主な結果は以下のとおり。

・アロマセラピー、またはアロマセラピー+ハンドマッサージを受けた認知症患者の攻撃的行動において有意な改善は認められなかった。
・今後、抗精神病薬の使用有無を含めた大規模臨床試験が望まれる。

関連医療ニュース
これからのアルツハイマー病治療薬はこう変わる
認知症患者の約2割にせん妄が発現
認知症高齢者5人に1人が抗コリン薬を使用

(ケアネット 鷹野 敦夫)