アリピプラゾール治療を見極めるタイミングは何週目か 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/09/10 抗精神病薬の治療効果を見極めるタイミングは難しい。韓国・全北大学医学部のPark Jong-Il氏らは、初回エピソード精神疾患におけるアリピプラゾール治療の有効性および安全性を確認するとともに、同治療の3週時点の反応が2週時点の反応よりもその後の反応を正確に予測することが示されたことを報告した。International Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2013年8月21日号の掲載報告。 研究グループは、初回エピソード精神疾患の治療について、アリピプラゾールの有効性と安全性を調べること、また同治療の早期反応と後発反応の関連について調べる、6週間の非盲検多施設共同試験を行った。被験者は、DSM-IV診断分類で、統合失調症様障害、統合失調情動障害、統合失調症、あるいはその他の特定できない精神障害を有した59例であった。主要評価尺度は、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、Clinical Global Impression-Severity(CGI-S)尺度であった。安全性の評価は、薬物関連有害事象、体重、脂質関連変数の測定にて行った。また、2週時点、3週時点の反応がその後の6週時点の反応をどの程度予測するかについて感度、特異度、陽性適中率、陰性適中率を算出した。 主な結果は以下のとおり。 ・被験者59例のうち、38例が6週間の試験を完了できた。 ・アリピプラゾール治療は、PANSSとCGIスコアにおいて、時間とともに有意な改善を示した。 ・治療反応率(ベースラインから最終観察までのPANSS総スコアの減少が30%以上と定義)は、69.1%であった。 ・後発反応を最も正確に予測した(陰性適中率と特異度による)のは、ベースラインから3週時点のPANSS総スコア20%以上の減少であった。 ・アリピプラゾールの副作用による負荷はわずかであった。体重および代謝への副作用に関しては安全なプロファイルの特徴が示された。 ・以上から、アリピプラゾールは初回エピソード精神疾患の治療において有効かつ安全であることが示された。治療反応は3週時点のほうが2週時点よりも、その後の反応を正確に予測した。 関連医療ニュース 抗精神病薬の効果をどのタイミングで見極めるべきか? どのタイミングで使用するのが効果的?統合失調症患者への持効性注射剤投与 維持期統合失調症でどの程度のD2ブロックが必要か (ケアネット) 原著論文はこちら Park JI et al. Int Clin Psychopharmacol. 2013 Aug 21. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 英国の過去20年の新薬導入、公衆衛生への影響を評価/Lancet(2024/12/31) 中等症~重症の潰瘍性大腸炎、グセルクマブは有効かつ安全/Lancet(2024/12/31) おそらく後進国(資源の限られた国)における血友病治療の光となる新たな遺伝子治療(解説:長尾梓氏)(2024/12/31) 糖尿病性腎症、コーヒーによるリスク減は摂取時間が重要(2024/12/31) アルツハイマー病治療の新時代、新規治療薬の承認でどう変わるか(2024/12/31) 高齢者への2価RSVワクチン、入院/救急外来受診リスクを低減(2024/12/31) ARBは脳卒中後のてんかん予防に効果的(2024/12/31) 糖尿病予備群が大動脈弁狭窄症を引き起こす(2024/12/31) スポーツの「観戦」にも有意な健康効果―日本人対象の縦断的研究(2024/12/31)