統合失調症の寛解に認知機能はどの程度影響するか:大阪大学 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/01/06 寛解期の統合失調症患者は、そうでない患者と比較し、神経認知機能レベルが有意に高いことが知られている。しかし、これまでの研究では、寛解の時間的要素を考慮することなく、横断研究にて検討されていた。大阪大学の福本 素由己氏らは、時間的要素を考慮に入れたうえで、寛解と3つの認知機能(知力、記憶、注意)との関係について、縦断的な研究により検討を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2013年12月8日号の報告。 対象は、登録した337例の統合失調症患者のうち、追跡および評価可能であった63例。寛解状態は、同じ対象患者に対して登録時と6ヵ月後の2回、PANSSを用いて評価した。認知機能テストは、登録後3ヵ月以内に実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・寛解基準を満たした患者は33例、満たさなかった患者は30例であった。 ・寛解患者はそうでない患者と比較し、Continuous Performance Testで2ケタレベル、3ケタレベルともに有意に高かった(各々 p=0.020、p=0.015)。また、ウェクスラー記憶検査改訂版の注意/集中(p=0.034)、ウェクスラー成人知能検査(WAIS)-IIIの処理速度(p=0.047)も有意に高かった。 ・さらに、これらの認知スコアは互いに正の相関を示した(p<0.05)。 関連医療ニュース 統合失調症の寛解予測因子は初発時の認知機能/a> 青年期統合失調症の早期寛解にアリピプラゾールは有用か うつ病の寛解、5つの症状で予測可能:慶應義塾大学 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Fukumoto M, et al. Psychiatry Clin Neurosci. 2013 Dec 8. doi: 10.1111/pcn.12119. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<下巻>(2012/12/01) これならデキル!内科医のための精神科的対応“自由自在”<下巻>(2012/12/01)
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