グルタミン酸作動薬は難治性の強迫性障害の切り札になるか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/01/08 強迫性障害(OCD)の治療では、科学的根拠に基づいた薬理学的介入として、主にセロトニン作動性経路とドパミン作動性経路をターゲットとしているが、常に効果的であるわけではない。近年の動物実験や臨床研究(たとえば、脳イメージングや遺伝学)より、OCDとグルタミン酸作動系の役割が注目されている。オーストラリア・マルーン病院のCatherine Kariuki-Nyuthe氏らは、OCDとグルタミン酸系に関するレビューを行った。Current opinion in psychiatry誌2014年1月号の報告。 主な知見は以下のとおり。 ・動物モデルおよび臨床研究の両面から、OCDにおける薬物療法の潜在的なターゲットとして、グルタミン酸作動系との関連が示唆されている(脳イメージング、神経遺伝学を含む)。 ・これまで、比較的少数のランダム化比較試験ではあるものの、小児または成人OCD患者における各種グルタミン酸作動薬(リルゾール、メマンチン、ケタミン、トピラマート、ラモトリギン、N-アセチルシステイン、D-サイクロセリン)の研究が行われている。 ・OCDのより効果的な治療の必要性やOCDにおけるグルタミン作動系の役割に関する新たな知見を考えると、OCDに対するグルタミン酸作動薬に関してさらなる臨床研究が必要であることが示唆される。 ・また、そのような試験に適した研究デザインとして、単独療法のアプローチ、薬物増強療法、精神療法による増強が含まれる場合がある。 関連医療ニュース SSRIで著効しない強迫性障害、次の一手は 難治性の強迫性障害治療「アリピプラゾール併用療法」 精神疾患のグルタミン酸仮説は支持されるか (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kariuki-Nyuthe C, et al. Curr Opin Psychiatry. 2014 Jan;27(1):32-7. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<下巻>(2012/12/01) これならデキル!内科医のための精神科的対応“自由自在”<下巻>(2012/12/01)