抗精神病薬で気をつけるべき横紋筋融解症 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/02/10 横紋筋融解症に対する抗精神病薬の影響は、まだ十分に理解されているわけではない。そのメカニズムとして、セロトニンやドパミン作動性遮断との関連が示唆されている。米国・クレイトン大学のKathleen Packard氏らは、抗精神病薬の使用と横紋筋融解症との関連を調べた。Journal of pharmacy practice誌オンライン版2013年1月15日号の報告。 対象は、横紋筋融解症を有する入院患者(2009年1月から2011年10月)673例。人口統計学的情報、検査、病歴、併用薬などのデータを収集した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者のうち71例(10.5%)は抗精神病薬を使用していた。抗精神病薬使用率は一般的な米国人(1.3%)と比較し著しく高かった(p<0.0001)。 ・横紋筋融解症の原因は、38%の症例で記載されていなかった。そして、10%の症例では、原因として抗精神病薬の使用が疑われた。 ・抗精神病薬のタイプとその他の患者の特異的パラメータとの間に有意な相関は認められなかった。 ・2種類以上の抗精神病薬が使用されていた患者は17例(25%)であった。 ・最も使用されていた抗精神病薬はクエチアピン(米国で最も一般的に処方されている抗精神病薬)であった。 ・抗精神病薬の使用は横紋筋融解症のリスクファクターであり、複数の薬剤を服用している患者においては、より一般的であると考えられる。 ・今後、どの抗精神病薬の横紋筋融解症リスクが高いのか、どの受容体が関与しているのかを明らかにする研究が望まれる。 関連医療ニュース 月1回の持効性抗精神病薬、安全に使用できるのか 抗精神病薬治療は予後にどのような影響を及ぼすのか 統合失調症患者への抗精神病薬追加投与、うまくいくポイントは (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Packard K, et al. J Pharm Pract. 2014 Jan 15. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 各種抗精神病薬のEPS発現を副作用データベースから分析 医療一般 日本発エビデンス(2017/01/26) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) シネマセラピー ~シネマにみるメンタルヘルス~(2013/04/26)