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双極性障害、男女間で肥満割合に違いあり 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/02/21 カナダ・クイーンズ大学のAnusha Baskaran氏らは、双極性障害(BD)における肥満の性差とその背景因子について、論文レビューを行った。その結果、BD女性は、BD男性および一般集団の男女と比較して、腹部肥満の割合が高いことを報告した。性別に基づく多彩な要因が、BD女性の肥満を促進していたことも判明した。Bipolar Disorders誌2014年2月号の掲載報告。 双極性障害(BD)の女性は、BDの男性および一般集団の男女に比較して心血管疾患(CVD)による標準化死亡比(SMR)が高い。本研究では、このような差異に寄与する要因について検討を行った。1990年9月~2012年6月までに英語で発表された論文について、「双極性障害」「メタボリックシンドローム(性別、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症を参考)」をキーワードとしてPubMedにて検索を行った。リファレンスリスト中の代表的な論文については、手動でレビューを行って補足した。論文の選択は、著者のコンセンサス、標準化された経験的手法の使用、確証されている評価項目の設定および論文全体の質に基づいた。 主な結果は以下のとおり。 ・成人BDは一般集団と比較して、メタボリックシンドロームの割合が高かった。 ・BD女性は、BD男性および一般集団の男女と比較して腹部肥満の割合が高かった。 ・BDの臨床経過と所見に性差が認められ、女性では、うつ優位な病状の頻度が高く、より晩期のBD発症、気分障害の季節性がみられ、再発しやすいことが判明した。 ・現象的な要因は、BD患者における合併症の性差にまで拡大する可能性があった。 ・BD女性の腹部肥満のリスクに寄与し得るその他の因子として、生殖に関する出来事、性的・身体的虐待などの経験、ライフスタイル、医原性などが考えられた。 ・上記を踏まえて著者は、「BD女性の肥満は、性別に基づく多彩な要因により促進されていることが判明した。一方で、BD女性の腹部肥満の増加が、CVDによるSMRの増加に関与するか否かは、引き続き検討すべき課題である」と結論したうえで、「本レビューから得られた臨床的推奨は、BD女性の肥満増加に関わる因子の現病歴や既往歴に主眼を置くということである」とまとめている。 関連医療ニュース 統合失調症女性の妊娠・出産、気をつけるべきポイントは 双極性障害患者の長期健康状態の独立予測因子は肥満 うつ病から双極性障害へ転換するリスク因子は (ケアネット) 原著論文はこちら Baskaran A et al. Bipolar Disord. 2014 Feb;16(1):83-92. Epub 2013 Oct 29. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 双極性障害とADHDは密接に関連している 疫学(頻度)(2013/01/30) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発・難治性DLBCL、複数の分子標的薬を含む5剤併用療法が有効/NEJM(2024/07/02) 心房細動とその合併症の生涯リスクの2000~22年における経時的変化:デンマークの一般住民を対象とした全国規模のコホート研究(解説:原田和昌氏)(2024/07/02) 臨床現場で認知症やMCI患者のアドヒアランスは把握可能か(2024/07/02) ライフステージごとの運動で健康寿命の延伸を目指す/日医(2024/07/02) プラネタリーヘルスダイエットは地球と人間の健康を促進する(2024/07/02) ニルマトレルビル/リトナビル、long COVIDに対する効果が認められず(2024/07/02) キシリトールの摂取は心血管イベントのリスクを高める(2024/07/02) 問題飲酒につながる仕事の特性(2024/07/02) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) シネマセラピー ~シネマにみるメンタルヘルス~(2013/04/26)