統合失調症へのアリピプラゾール+リハビリ、認知機能に相乗効果:奈良県立医大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/02/25 統合失調症患者における認知機能障害を改善する手段に関する研究には、強い関心が寄せられている。奈良県立医科大学の松田 康裕氏らは、統合失調症患者に対する抗精神病薬治療と認知機能リハビリテーションとの相乗効果について調べた。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2014年2月10日号の掲載報告。 研究グループは、認知機能リハビリテーションの有効性について検討した無作為化試験や、裏付けのための準無作為化実験的試験の参加者で、統合失調症または統合失調感情障害と診断された患者を対象とし、認知機能リハビリテーションへのアリピプラゾールとリスペリドンとの影響について検討した。被験者(43例)を、(1)対照-リスペリドン(CR群、13例)、(2)リハビリテーション-リスペリドン(RR群、9例)、(3)対照-アリピプラゾール(CA群、10例)、(4)リハビリテーション-アリピプラゾール(RA群、11例)に分類し、リハビリテーション群の被験者は、コンピュータベースの認知エクササイズ(24セッション)をブリッジング(12セッション)とともに12週間受けた。ベースライン時と12週時点で、精神症状、認知機能および社会的機能の評価を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・認知機能リハビリテーションと抗精神病薬投与を2要因とした分散分析の結果、運動速度について有意な相互作用の効果があることが判明した。 ・作業記憶と運動速度は、CA群と比較してRA群において有意に向上した。 ・CR群とRR群の間には、有意な改善がみられなかった。 ・アリピプラゾール治療患者における認知機能リハビリテーションとの相乗効果は、運動速度の改善として観察された。 ・アリピプラゾール治療患者において、認知機能リハビリテーションは、作業記憶と運動速度を改善すると思われた。 ・今回の結果を確認するために、抗精神病薬投与と認知機能リハビリテーションの相乗効果について、さらなる研究が必要である。 関連医療ニュース 統合失調症の寛解に認知機能はどの程度影響するか:大阪大学 統合失調症患者は処理速度が著しく低下、日本人でも明らかに:大阪大学 統合失調症患者へのセロトニン作動薬のアドオン、臨床効果と認知機能を増大 (ケアネット) 原著論文はこちら Matsuda Y et al. Psychiatry Clin Neurosci. 2014 Feb 10. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<下巻>(2012/12/01)