統合失調症の症状、インターロイキン-2の関与が明らかに 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/05/02 統合失調症の患者における認知能力の衰退と陰性症状に、インターロイキン2(IL-2)が関与している可能性が、ブラジル・サンパウロ連邦大学のElson Asevedo氏らによる検討の結果、示唆された。これまで、統合失調症においてIL-2が関与している可能性が示唆されていたが、どのような症状と関連しているかを調べる検討は行われていなかった。Physiology & Behavior誌2014年4月号の掲載報告。 研究グループは、統合失調症患者において、末梢IL-2値と症状および認知のパフォーマンスとの関連について調べ、末梢IL-2値について、統合失調症患者と健常対照者との比較も行った。パフォーマンスについては、DSM-IV基準で統合失調症と診断され治療を受けている外来患者と、健常対照者を対象に、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、統合失調症に関するカルガリーうつ病評価尺度(CDSS)、臨床全般印象尺度(CGI)、全般機能評価尺度(GAF)にて評価して調べた。被験者の採血は、全員午前9~10時に、EDTA管を用いた静脈穿刺にて行われた。IL-2の血漿中濃度は、Cytometric Bead Array(CBA)法によって確定し、コンピュータによる神経心理学的検査で、言語学習能、ことばの流暢さ、作業記憶、変化に対する柔軟性(set shifting)、実行機能、抑制と知能を評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・統合失調症患者29例と、健常対照者26例について検討が行われた。 ・統合失調症患者は、健常対照者よりIL-2値が低値であった(p<0.001)。 ・統合失調症患者群におけるIL-2値は、ディジットスパンテスト(rho=0.416、p=0.025)、知能評価(rho=0.464、p=0.011)のスコアとの間に明らかな相関を認めた。 ・また、IL-2値とPANSS陰性サブスケールの総スコアとの逆相関の関連性を認めた(rho=-0.447、p=0.015)。 関連医療ニュース 双極性障害の認知障害にインターロイキン-1が関与 治療抵抗性統合失調症女性、エストラジオールで症状改善 統合失調症では自己免疫疾患リスクが1.53倍 (ケアネット) 原著論文はこちら Asevedo E, et al. Physiol Behav. 2014; 129: 194-198. Epub 2014 Feb 25. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 認知症ケア、積極的介入でアウトカムに差はなし/JAMA(2025/02/06) コロナワクチン、免疫抑制患者への接種継続は必要か?/Lancet(2025/02/06) ワクチン接種後の免疫抑制療法患者のリスクを抗体の有無で評価(解説:栗原宏氏)(2025/02/06) コロナとインフル、臨床的特徴の違い~100論文のメタ解析(2025/02/06) 日本における妊娠中の抗うつ薬継続投与、約10年の変化は(2025/02/06) 医師介入が死亡率に影響?がん患者診療のための栄養治療ガイドライン発刊(2025/02/06) ニンジンが糖尿病治療の助けになる?(2025/02/06) プレシジョン・オンコロジーの恩恵は平等か(2025/02/06) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<下巻>(2012/12/01)