仕事の早期リタイアは認知症リスクを高める 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/06/06 仕事を引退した年齢と認知症発症リスクは相関するのであろうか。フランス国立保健医学研究所(INSERM)のCarole Dufouil氏らは、フランスの元自営業者を対象に引退時の年齢と認知症リスクとの関連を検証した。European journal of epidemiology誌オンライン版2014年5月4日号の報告。 対象は、2010年12月31日現在で存命している、仕事を引退したフランスの元自営業者。認知症の定義は、アルツハイマー型認知症およびその他の認知症(ICDコードにおけるG30、F00、F01、F03)の診断、または抗認知症薬を処方された場合とした。分析には、潜在的な交絡因子を調整した後、Cox比例ハザードモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・42万9,803人の対象者における、認知症の有病率は2.65%であった。 ・多変量解析の結果、認知症リスクは、引退時の年齢が上がるごとに減少していた(ハザード比 0.968[95%CI:0.962~0.973])。 ・引退後5年以内に認知症と診断された例を除外しても、結果は変わらず、非常に有意であった(p<0.0001)。 ・仕事を引退した年齢と認知症発症リスクには有意な関連性が認められた。 ・さらなる検証が必要ではあるものの、認知症を予防するためにも、現役および引退後の生活においても認知的および社会的な刺激が重要であると考えられる。 関連医療ニュース 高齢者への向精神薬投与、認知症発症リスクと強く関連 「歩行とバランスの乱れ」はアルツハイマーのサイン 認知症発症リスクと心臓疾患との関係 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Dufouil C, et al. Eur J Epidemiol. 2014 May 4. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 小児がん、定期的な症状スクリーニングで苦痛な症状が改善/JAMA(2024/11/21) 米国民の幸福度、国内格差を人間開発指数で解析/Lancet(2024/11/21) エンパグリフロジン投与終了後もCKDの心・腎保護効果が持続、レガシー効果か?(解説:栗山哲氏)(2024/11/21) 心臓MRIによるLGEはLVEFより拡張型心筋症のリスクをより良く予測する(解説:佐田政隆氏)(2024/11/21) 肺動脈性肺高血圧症治療剤ユバンシ配合錠が発売/ヤンセン(2024/11/21) TN乳がんへのサシツズマブ ゴビテカン、販売開始/ギリアド(2024/11/21) ROS1陽性NSCLCへの新たな選択肢レポトレクチニブ、その特徴は?/BMS(2024/11/21) 低リスク肺塞栓症がん患者のVTE再発、リバーロキサバン18ヵ月vs. 6ヵ月(ONCO PE)/AHA2024(2024/11/21) 大腸がん検診、現時点では血液検査よりも大腸内視鏡検査が優れる(2024/11/21) うつ病に対するブレクスピプラゾール補助療法、安定後は継続または中止?(2024/11/21) [ あわせて読みたい ] Dr. 倉原の“おどろき”医学論文(2013/08/21) 今こそメディカルコーチング -院内をワクワクに変える手法(2014/06/18) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014) ~改訂のポイント~(2014/04/30) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 『高血圧治療ガイドライン2014』 発刊(2014/04/01) “簡単・確実”吸入指導 デバイス別ポイント(2013/12/05)