日本人うつ病患者に対するアリピプラゾール補助療法:名古屋大学 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/07/08 抗うつ療法(ADT)を施行した日本人の大うつ病性障害(MDD)患者におけるアリピプラゾール補助療法を検討した無作為化プラセボ対照試験であるADMIRE研究において、アリピプラゾール補助療法はADT単独よりも優れ、忍容性も良好であったことが報告されている。名古屋大学の尾崎 紀夫氏らは、人口統計学的因子および疾患関連因子の影響、また各症状の改善とMDD全体の改善との関連についてサブ解析を実施した。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2014年6月26日号の報告。 ADMIRE研究のデータを分析した。サブグループ解析は、一次評価項目である最終時点のMADRS合計スコアの平均変化量を用い実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・MADRS合計スコアの変化は、各サブグループにおいて、アリピプラゾール群ではプラセボ群と比較し一貫して大きかった。 ・有効性に以下の項目は関連していなかった[性別、年齢、現エピソードに対する十分なADT施行数、MDD診断、うつ病エピソード数、現エピソードの期間、うつ病発症年齢、うつ病罹病期間、抗うつ薬(SSRI/SNRI)の種類および治療終了時点での重症度]。 ・アリピプラゾール群ではプラセボ群と比較し、MADRAS10項目のうち悲しみ(sadness)を含めた7項目に対し、有意かつ迅速な改善を示した。 著者らは、これらの結果から「SSRI/SNRIで効果不十分な日本人MDD患者に対し、アリピプラゾール補助療法は有効であり、うつ病の主症状に対し大幅かつ急速な効果が期待できることが示唆された」としている。 関連医療ニュース 難治性うつ病にアリピプラゾールはどの程度有用か うつ病に対するアリピプラゾール強化療法、低用量で改善 本当にアリピプラゾールは代謝関連有害事象が少ないのか 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ozaki N, et al. Psychiatry Clin Neurosci. 2014 Jun 26. doi: 10.1111/pcn.12214. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 日本人うつ病患者における健康関連QOLや経済的負担 医療一般 日本発エビデンス(2019/05/02) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)