オランザピンによる急性期治療、心血管系に影響 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/07/11 オランザピンの急性治療は、平均動脈圧、静脈緊張および心収縮能を低下することが、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のJoanne Y.T. Leung氏らによるラット試験の結果、明らかにされた。抗精神病薬による治療は、有害な心血管作用(たとえば起立性低血圧や不整脈)と関連している。また、統合失調症患者は心血管系合併症の有病率が高いが、抗精神病薬の血管緊張や心収縮への作用については、これまでほとんど注意が払われていなかった。Vascular Pharmacology誌オンライン版2014年6月23日号の掲載報告。 研究グループは本検討において、抗精神病薬の心血管作用を明らかにするため、非定型抗精神病薬オランザピンが心血管機能を変化しうるかどうかを、ラットを用いたin vivo試験で評価した。検討に用いられたのは雄のSprague-Dawleyラットで、留置カテーテルで調節した。手術から回復4時間後、オランザピン[3または15mg/kgを腹腔内投与(i.p.)]または溶媒の単回投与後60分のベースライン時点で、意識があり拘束をされていない状態のラットにおいて平均動脈圧(MAP)、循環系平均充満圧(MCFP;体静脈緊張の指数)、心拍数、左室最大収縮期圧(LVP)、心収縮能(+/-dP/dt)を測定した。 主な結果は、以下のとおり。 ・溶媒投与群は、測定を行ったいずれの時点においても心血管測定値に変化はみられなかった。 ・オランザピンの心拍数への影響はみられなかったが、投与後30分の最大効果到達時点において、用量依存性でMAP、MCFP、LVP、心収縮能の減少が認められた。 ・ラットにおける急性期オランザピン治療は、MAP、静脈緊張および心収縮能を低下した。 ・静脈緊張は、抗精神病薬治療の初期において患者にみられる起立性低血圧に寄与している可能性が示唆された。 関連医療ニュース オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学 抗精神病薬と抗コリン薬の併用、心機能に及ぼす影響 統合失調症患者の突然死、その主な原因は 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Leung JY, et al. Vascul Pharmacol. 2014 Jun 23. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 非がん性慢性脊椎痛、効果的な治療はない?/BMJ(2025/03/06) AIPL1関連重度網膜ジストロフィー、アデノ随伴ウイルスベクターで視力改善/Lancet(2025/03/06) 過敏性腸症候群の精神的苦痛を可視化/川崎医大ほか(2025/03/06) 多発性骨髄腫、ASCT後維持療法の中止から3年後のMRD陽性転換率/Blood(2025/03/06) 第4世代統合失調症治療薬KarXT、その安全性は〜メタ解析(2025/03/06) スタチンは片頭痛予防に有効か?~メタ解析(2025/03/06) ダイエットの繰り返しは1型糖尿病患者の腎臓にも悪影響(2025/03/06) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<下巻>(2012/12/01)