就寝時、部屋は暗くしたほうがよいのか:奈良医大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/08/29 奈良県立医科大学の大林 賢史氏らは、住民ベースのコホート研究「平城京スタディ」により、夜間光曝露が高齢者の主観的・客観的な睡眠の質と有意に関連していることを明らかにした。実験室での検討で、夜間光はメラトニン分泌を抑制し、体内生体リズムに遅延を生じさせ眠気を抑制することが示されていた。研究グループは、実生活における夜間光曝露が、サーカディアンリズムの乱れと不眠症を引き起こす可能性があるとして両者の関連について評価を行った。Chronobiology International誌オンライン版2014年7月15日号の掲載報告。 平城京スタディは、断面調査にて高齢者を対象に行われた。寝室の照明の強度を照度計で測定し、睡眠の質をピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)とアクチグラフを用いて主観的・客観的に測定した。尿中6-スルファトキシメラトニン値も測定した。 主な結果は以下のとおり。 ・被験者は857例で、平均年齢は72.2歳であった。 ・多変量モデル(年齢、性別、BMI、日中身体活動度、尿中6-スルファトキシメラトニン値、就寝時間、起床時間、日照時間で補正)解析の結果、夜間光強度の四分位範囲の最低値群と比較して最高値群は、主観的な不眠症オッズ比(OR)が有意に高かった(OR:1.61、95%信頼区間:1.05~2.45、p=0.029)。 ・また、主観的不眠症オッズ比が高値であるほど、夜間光強度の四分位値は有意に高かった(傾向のp=0.043)。 ・同様に、夜間光強度の四分位値増大とアクチグラフ結果の低下(睡眠効率の低下、睡眠開始の遅れ、睡眠開始後の覚醒、総睡眠時間の短縮、睡眠時間帯のずれなど)について有意な相関傾向が観察された(前述の共変量補正後の多変量モデルで、すべての傾向のp<0.001)。 関連医療ニュース 不眠の薬物療法を減らすには 認知症の不眠にはメラトニンが有用 睡眠薬、長期使用でも効果は持続するのか 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Obayashi K, et al. Chronobiol Int. 2014 Jul 15:1-7. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新素材PICC、デバイス不具合を改善するか/NEJM(2025/01/21) 新しい認知症観と疫学(解説:岡村毅氏)(2025/01/21) 身近な血圧計から心房細動の早期発見に寄与する新システム発表/オムロン(2025/01/21) 緑茶に認知症予防効果?~65歳以上の日本人約9千人の脳を解析(2025/01/21) グルタミン酸調整薬evenamideは治療抵抗性統合失調症の新たな選択肢となるのか〜国際第III相臨床試験(2025/01/21) 人工甘味料の摂取は非健康的な食生活と関連(2025/01/21) 16歳超55歳未満の男性は入院中にAKIリスクが上昇(2025/01/21) 自傷行為に関する誤った認識が少なくない(2025/01/21) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<下巻>(2012/12/01)