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認知症タイプ別、各認知機能の経過を比較 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/10/06 オランダ・アムステルダム大学医療センターのLL Smits氏らは、認知症のタイプ別に認知機能低下の経過を長期に観察し、コントロールと比較検討した。その結果、認知症のタイプにより記憶、言語、注意、実行機能、視空間機能、全般的認知などの低下において、それぞれ特徴がみられることを報告した。今回の結果について著者は、「アウトカム評価として神経精神学的データを使用するケースが増えているため、認知症自然経過の推定は、臨床試験をデザインするうえで重要な意義がある」と考察している。Psychological Medicine誌オンライン版2014年9月17日号の掲載報告。 研究グループは、認知症の各タイプにおける認知機能低下の経過をコントロールと比較検討する長期観察研究を行った。アルツハイマー病(AD)患者199例、血管性認知症(VaD)患者10例、レビー小体型認知症(DLB)患者26例、前頭側頭型認知症行動バリアント(bvFTD)患者20例、前頭側頭型認知症言語バリアント(lvFTD)患者15例、およびコントロール112例を対象とし、Mini-Mental State Examination(MMSE)を用いて5つの認知ドメイン(記憶、言語、注意、実行機能、視空間機能)と、全般的認知を評価した。すべての被験者に対し、2回以上の神経精神学的評価を行った(中央値2回、範囲:2~7回)。神経精神学的データは、コントロールのベースライン状況をリファレンスとし、zスコアに標準化。年齢、性別、学歴で調整し、線形混合モデル(LMMs)を用いて、各認知症タイプにおけるベースラインの認知機能および経過に伴う認知機能低下を推定した。 主な結果は以下のとおり。 ・ベースライン時、認知症患者はコントロールに比べ、視空間機能を除くすべての認知ドメインの機能が不良であった(p<0.05)。なお、視空間機能は、AD患者とDLB患者のみで障害がみられた(p<0.001)。 ・追跡期間中、AD患者ではすべての認知ドメインで機能の低下が認められた(p<0.001)。 ・ DLB患者では、言語と全般的認知を除くすべてのドメインで機能の低下がみられた。 ・bvFTD患者では記憶、言語、注意および実行機能において急速な低下がみられた(すべてp<0.01)。一方、視空間機能はほぼ安定していた。 ・lvFTD患者では、主に注意と実行機能の低下がみられた(p<0.01)。 ・VaD患者では、注意と実行機能の低下がみられた。 関連医療ニュース 認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能 日本人若年性認知症で最も多い原因疾患は:筑波大学 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Smits LL, et al. Psychol Med. 2014 Sep 17:1-9. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 腎移植後の抗体関連型拒絶反応、抗CD38抗体felzartamabが有望/NEJM(2024/07/18) 産後VTE予防のエノキサパリン、より高リスク例へ限定可能?/JAMA(2024/07/18) オミクロン対応2価コロナワクチン、半年後の予防効果は?/感染症学会・化学療法学会(2024/07/18) 日本における頭痛障害、片頭痛の有病率調査の正確性は(2024/07/18) 運動が化学療法による末梢神経障害の回避に有効か(2024/07/18) マルチビタミンに寿命延長効果はある?(2024/07/18) 夜勤とギャンブル利用の関係(2024/07/18) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03) Dr. 倉原の”おどろき”医学論文(2013/08/21) アリスミアのツボ(2014/09/01) 今こそメディカルコーチング -院内をワクワクに変える手法(2014/06/18) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014) ~改訂のポイント~(2014/04/30) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 『高血圧治療ガイドライン2014』 発刊(2014/04/01)