パイロットや客室乗務員のメラノーマの発生率は、一般集団と比較して約2倍であることを、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のMartina Sanlorenzo氏らがメタ解析の結果、報告した。パイロットや客室乗務員は職業的に、一般集団よりも高率に宇宙線や紫外線に曝されるが、メラノーマの発生リスクについてはいまだ確立されていない。今回の結果を踏まえて著者は、「発生機序と最適な職業的予防のさらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年9月3日号の掲載報告。
検討は、PubMed(1966年~2013年10月30日)、Web of Science(1898年~2014年1月27日)、Scopus(1823年~2014年1月27日)を検索して行われた。標準化罹患比(SIR)、標準化死亡比(SMR)が報告されており、メラノーマまたはメラノーマによる死亡が予想および確認された症例のデータが、全フライトベースにおけるSIRやSMRを算出するために用いられている試験を適格とし、主要ランダムエフェクトメタ解析にて分析した。
主要評価項目は、パイロットと客室乗務員の集約したSIR、SMRであった。
主な結果は以下のとおり。
・3,527件の検索引用から、試験19件、被験者26万6,431例のデータを解析に組み込んだ。
・全フライトベースにおける被験者の全集約SIRは、2.21(95%CI:1.76~2.77、p<0.001、14件)であった。
・パイロットの集約SIRは、2.22(同:1.67~2.93、p=0.001、12件)であった。
・客室乗務員の集約SIRは、2.09(同:1.67~2.62、p=0.45、2件)であった。
・また、全フライトベースにおける被験者の全集約SMRは、1.42(同:0.89~2.26、p=0.002、6件)であった。
・パイロットの集約SMRは、1.83(同:1.27~2.63、p=0.33、4件)であった。
・客室乗務員の集約SMRは、0.90(同:0.80~1.01、p=0.97、2件)であった。
(ケアネット)