最新、抗精神病薬の体重増加リスクランキング 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/12/10 第二世代抗精神病薬(SGA)は、いくつかの精神疾患に対し広く使用されている。その際、抗精神病薬誘発性の体重増加が問題となるが、そのリスクは薬剤間で異なる。抗精神病薬誘発性の体重増加は、メタボリックシンドロームや心血管イベントの増加と関連しており、これらのリスクに対する知識は、さらなるモニタリングや対策を行ううえで重要である。ドイツのルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンのRichard Musil氏らは、関連する直接比較試験についてシステマティックレビューとメタアナリシスを行った。Expert opinion on drug safety誌オンライン版2014年11月15日号の報告。 著者らは、PubMed、Web of Scienceから、2010~2014年に公表されたサンプルサイズが100例以上、ゾテピン以降に発売されたSGA、体重増加に関するデータが含まれた無作為化対照試験、自然観察研究を抽出した。 主な結果は以下のとおり。 ・最近公表されたデータは、これまでにレビューされていたSGAのランク付けを支持するものであった。 高リスク:クロザピン、オランザピン 中リスク:アミスルプリド、アセナピン、イロペリドン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドン、セルチンドール 低リスク:アリピプラゾール、ルラシドン、ジプラシドン ・NNH(何人の患者を治療すると1例の有害症例が出現するかを示す指標)は、本メタアナリシスでは大きく変動した。 ・若年患者とベースラインのBMIが低い患者が、最も影響を受けやすかった。 ・体重増加の大半は、治療開始1週以内に認められた。 ・抗精神病薬誘発性の体重増加は、すべての診療群で発生し、第一世代抗精神病薬による治療でも一般的に認められる。そのため、体重増加への注意はどの抗精神病薬を使用する場合においても不可欠である。 関連医療ニュース 抗精神病薬による体重増加や代謝異常への有用な対処法は:慶應義塾大学 最初の1年がピーク、抗精神病薬による体重増加と代謝異常 オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Musil R, et al. Expert Opin Drug Saf. 2014 Nov 15:1-24. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 アセナピンとオランザピン、日本人統合失調症患者での治療継続率 医療一般 日本発エビデンス(2022/02/02) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09) 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回(2022/07/08) 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回(2022/06/06) Dr.金井のCTクイズ 初級編(2022/05/17)