アジアの勃起障害患者、うつ発症に注意が必要 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/01/06 うつ病は勃起障害(ED)のリスクを増加させ、一方でEDはうつ病を悪化させる可能性がある。しかし、両疾患の因果関係については議論の余地が残っている。さらに、うつ病とEDの関係について、年齢依存的および時間依存的影響に関するエビデンスは限られていた。台湾・高雄医学大学病院のPing-Song Chou氏らは、EDとうつ病との関連を明らかにするため、国民健康保険調査記録データベースを用いて長期コホート試験を実施した。その結果、ED患者はうつ病の発症リスクが高く、とくに診断後1年以内のリスクは非ED者の約3倍高いことを報告した。Journal of Sexual Medicine誌オンライン版2014年12月5日号の掲載報告。 本研究では、EDがうつ病のリスクを増大させるという仮説について、台湾国民の記録より得た保険請求データベースを用いて検討すること、さらにうつ病とEDとの関係に対する、年齢依存的および時間依存的影響の評価を行った。台湾国民健康保険調査記録に基づく診療支払データベースを用いて、長期コホート試験を実施し、EDと追跡期間5年間におけるうつ病発症との関係を検討した。コホート登録日より全症例を5年間追跡し、うつ病発症の有無を確認した。 主な結果は以下のとおり。 ・試験コホート(1997年から2005年までにEDと診断された2,527例)と、比較コホート(ED患者1例につき、年齢・性別でマッチした5例を無作為抽出した1万2,635例)について検討した。 ・主要な知見として、ED患者ではうつ病の発症リスクが高いという結果が得られた。 ・ED患者におけるうつ病発症の調整ハザード比(AHR)は、比較コホートと比べて2.24倍高かった(95%信頼区間[CI]:1.83~2.74、p<0.001)。 ・時間依存的影響に関する検討の結果、追跡後1年目にうつ病の発症率が最も高かった(AHR:3.03、95%CI:2.08~4.40、p<0.001)。 ・アジア人男性のED患者は、とくにED診断後1年以内にうつ病の発症リスクが高いことが示された。 関連医療ニュース 少し歩くだけでもうつ病は予防できる うつ病治療、概念や診断方法の相違が課題 うつになったら、休むべきか働き続けるべきか 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Chou PS, et al. J Sex Med. 2014 Dec 5. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)