軽度認知障害からの進行を予測する新リスク指標 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/01/07 軽度認知障害(MCI)からprobableなアルツハイマー型認知症(AD)への進行を予測する新たな診断基準が、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のSei J. Lee氏らにより開発提示された。臨床指標をベースとしたリスク予測因子で、臨床医がMCI患者の進行について低リスクvs.高リスクを鑑別するのに役立つ可能性があるという。PLoS One誌2014年12月8日号の掲載報告。 研究グループは、MCIから認知症への進行について、大半を臨床で即時に入手できる情報だけを用いた3年リスクの予測指標の開発に取り組んだ。多施設共同長期観察研究であるAlzheimer's Disease Neuroimaging Initiative(ADNI)登録患者で、健忘型MCI(Amnestic MCI)と診断された382例の情報を集めて、人口統計学的情報や併存疾患、症状や機能に関する介護者の報告、基本的神経学的尺度の各項目の被験者の実行能を調べた。主要評価項目は、probable ADへの進行であった。 主な結果は以下のとおり。 ・被験者は、平均年齢75歳(SD 7)であった。 ・3年以内に43%が、probableなADに進行した。 ・進行に関する重大予測因子は、女性、支援拒否、介護者がいない時に転倒、1人での買い物が困難、予定を覚えていない、10単語リストの思い出し正答数、見当識、時計を描くのが困難、であった。 ・最終ポイントスコアは0~16(平均[SD]:4.2[2.9])であった。 ・optimism-corrected Harrell'sによるC統計値は0.71(95%CI:0.68~0.75)であった。 ・3年間でprobableなADに進行したのは、低リスクスコア被験者(0~2ポイント、124例)では14%であった一方、中リスクスコア被験者(3~8ポイント、223例)は51%、高リスクスコア被験者(9~16ポイント、35例)は91%であった。 関連医療ニュース 早期介入により認知症発症率はどこまで減らせるか? 統合失調症患者を発症前に特定できるか:国立精神・神経医療研究センター 統合失調症の発症は予測できるか、ポイントは下垂体:富山大学 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Lee SJ, et al. PLoS One. 2014; 9: e113535. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] COPDの3剤配合薬、定量噴霧吸入器vs.ドライパウダー吸入器/BMJ(2025/01/22) 日本における片頭痛診療の現状、今求められることとは(2025/01/22) 乳がん診断後の手術遅延、サブタイプ別の死亡リスクへの影響(2025/01/22) 自己主導型のCBTはアトピー性皮膚炎の症状軽減に有効(2025/01/22) コーヒーやお茶の摂取は頭頸部がんのリスクを下げる?(2025/01/22) 高齢患者の抗菌薬使用は認知機能に影響するか(2025/01/22) 出産後の抜け毛の量が育児中の不安に独立して関連(2025/01/22) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)