高齢者焦点てんかん、治療継続率が高い薬剤は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/03/16 ドイツ・ヨハネス・グーテンベルク大学病院のKonrad J. Werhahn氏らは、高齢者の焦点性てんかんに対するカルバマゼピン徐放製剤(CR-CBZ)の有効性を、レベチラセタム(LEV)およびラモトリギン(LTG)と比較検討する無作為化二重盲検並行群間試験を実施した。その結果、CR-CBZに比べLEVのほうが高い治療継続率を示したことを報告し、LEVの良好な忍容性がこの結果の背景にあることを示唆した。Epilepsia誌オンライン版2015年2月12日号の掲載報告。 検討は、2007年1月~2011年8月までの期間、ドイツ、オーストリア、スイスにある47の外来あるいは入院施設において行われた。60歳以上、初発てんかん患者、発作の原因となる急性疾患なし、試験薬剤との禁忌なしを適格例とし、CR-CBZ群、LTG群、LEV群に1対1対1に無作為に割り付け比較した。6週間は投与量を漸増し、その後52週間は投与量を維持、あるいは発作の発生や忍容性に応じて適宜用量調節した。主要アウトカムは、58週時点での治療継続とし、副次評価項目は発作および有害事象の発生頻度とした。 主な結果は以下のとおり。 ・無作為化された361例のうち、359例(CR-CBZ群121例、LTG群117例、LEV群122例)を、改訂intent-to-treat集団(平均年齢71.4、範囲60~95歳)とした。 ・58週時点において、LEV群の治療継続率はCR-CBZ群に比べ有意に高かった(61.5% vs. 45.8%、p=0.02)。LTG群とは同程度であった(55.6%)。 ・30週と58週における発作消失率に関して各群間に差はみられなかった。 ・CR-CBZ群では、有害事象あるいは死亡により治療中止した例がLEV群と比べ2倍多かった(32.2% vs. 17.2%、オッズ比:2.28、95%信頼区間[CI]:1.25~4.19、p=0.007)。LTG群における治療中止はこれら2群の中間であった(26.3%)。 ・治療完遂例(195例)の1日投与量中央値は、CR-CBZ群380.0mg/日(333.0~384.0)、LTG群95mg/日(94.0~97.0)、LEV群950mg/日(940.0~985.0)であった。 ・高齢者の焦点てんかんに対する初期単独治療において、LEVはその良好な忍容性により、1年継続率がCR-CBZに比べ高かった。 ・LTGの治療継続率はそれらの中間で、どちらかというとLEVに近い結果であったが、いずれの薬剤とも有意差は認められなかった。 関連医療ニュース 寛解後、抗てんかん薬はすぐに中止すべきか 抗てんかん薬の使い分け:独での使用調査 日本の高齢者てんかん新規発症、半数以上が原因不明:産業医大 (ケアネット) 原著論文はこちら Werhahn KJ, et al. Epilepsia. 2015 Feb 12. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 てんかん治療患者の44%が高齢者 医療一般(2018/12/13) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 神経(2021/04/20) 希少疾病・難治性疾患特集 2021(2021/02/01) クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) 脳血管内治療STANDARD(2020/12/10) 新型コロナ治療薬の有力候補、「siRNA」への期待(2020/03/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15)