出生地が双極性障害発症時期に影響 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/06/02 出生直後の環境条件は、概日システムの刷り込みや、その後の環境応答に影響するかもしれない。ドイツ・カールグスタフ・カールス大学病院のMichael Bauer氏らは以前、とくに気分障害の家族歴を持つ人において、春の日射量の増加が双極性障害の発症年齢と関連することを報告していた。本研究では、出生地の日照時間がこの関連に影響を与えているかどうかを検討した。Journal of psychiatric research誌2015年5月号(オンライン版2015年3月27日号)の報告。 以前収集した23ヵ国、36施設のデータから、双極I型障害患者3,896例のデータが得られた。患者の出生地は、北緯1.4度から70.7度および南緯1.2度から41.3度の範囲であった。出生地の日照時間の変数をベースモデルに追加し、発症年齢と日射との関連を評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・乳児期の出生地のより多い日照時間は、より高齢での発症と関連していた。このことは、発症地での春の日射の増加が、将来の概日リズムに対する脆弱性を低下することを示唆していた。 ・出生後最初の3ヵ月における、平均月間日照量の最小値を変数に加えることでベースモデルが改善し、発症年齢と正の相関がみられた。 ・その他すべての変数における係数は安定、重大かつベースモデルと一致した。 結果を踏まえ、著者らは「出生後早期の光曝露は、とくに冬場の自然光が少ない緯度地域の、双極性障害を発症しやすい人に重要な影響を与える。出生後早期の光曝露は、その後の概日リズム応答のための長期的な適応性に影響を与える可能性がある」とまとめている。 関連医療ニュース 双極性障害ラピッドサイクラーの特徴は 小児・思春期の双極性障害に対する非定型抗精神病薬vs気分安定薬 冬季うつ病、注意が必要な地域は 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Bauer M, et al. J Psychiatr Res. 2015;64:1-8. Epub 2015 Mar 27. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 双極性障害とADHDは密接に関連している 疫学(頻度)(2013/01/30) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) Dr.ゴン流ポケットエコー簡単活用術(2014/06/11) 診療よろず相談TV(2013/10/25) ここから始めよう!みんなのワクチンプラクティス ~今こそ実践!医療者がやらなくて誰がやるのだ~(2014/05/15) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) こどものみかた<下巻> ~シミュレーションで学ぶ見逃せない病気~(2013/07/08)