魚をよく食べるほど、うつ病予防に:日医大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/07/01 うつ病は、職場の心理社会的因子によって影響されることから、レジリエンス(逆境に直面してストレスに対処する能力)を高めることがうつ病の予防に重要と考えられる。長鎖n-3系多価不飽和脂肪酸(LC n-3 PUFA)を多く含む魚の摂取がうつ病を予防することが示唆されているが、日本医科大学多摩永山病院の吉川 栄省氏らは、横断研究を行い、魚の摂取がうつ病に対するレジリエンスと関連している可能性があることを明らかにした。「今後、うつ病へのレジリエンスに対するLC n-3 PUFAの予防的効果を無作為化二重盲検プラセボ対照比較介入試験で、さらに検討する必要がある」とまとめている。Lipids In Health And Disease誌2015年5月26日号の掲載報告。 本研究には、某大企業の3つの職場で働く日本人社員527人が参加した。うつ症状をうつ病自己評価尺度(CES-D)、レジリエンスを14-item Resilience Scale(RS-14)にて評価するとともに、魚の摂取頻度は自己記入式食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いて調査した。Baron and Kennyの定義による統計解析の方法に従って回帰分析を行い、レジリエンスの間接的な関連性はブートストラップ法で算出した。 結果は以下のとおり。 ・魚の摂取頻度とCES-D合計スコアとの関連は有意であった(B=-0.94、p=0.011)。 ・魚の摂取頻度とRS-14合計スコアとの関連は有意であった(B=1.4、p=0.010)。 ・RS-14合計スコアとCES-D合計スコアとの関連も有意であった(B=-0.34、p<0.001)。 ・RS-14合計スコアで調整した場合、魚の摂取頻度とCES-D合計スコアとの間に有意な関連はみられなかった。 ・ブートストラップ法により、RS-14合計スコアを介して魚の摂取頻度とCES-D合計スコアが間接的に有意な関係にあることが示された(BCa信頼区間:-0.83~-0.13;95%信頼区間)。 関連医療ニュース うつ病患者の食事療法、ポイントは「トリプトファン摂取」 うつ病患者で重要な食事指導のポイント 統合失調症の再発予防、ω-3脂肪酸+α-LAは有用か 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Yoshikawa E, et al. Lipids Health Dis. 2015 May 26;14:51. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] Dr.小川のアグレッシブ腹部エコー 肝臓編(2015/05/08) 新興再興感染症に気を付けろッ!(2015/04/13) 高血圧治療を再考する ~L/N型Ca拮抗薬/ARB配合錠の選択~(2015/04/06) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) Dr.長尾の症候から学ぶ呼吸器教室(2015/03/06) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03)