経口抗精神病薬とLAI併用の実態調査 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/07/24 統合失調症患者における持効性注射剤(LAI)と経口薬の同時処方の頻度および期間について、米国・ペンシルベニア大学のJalpa A Doshi氏らが調査を行った。診療ガイドライン推奨のLAI治療は、一般的にはアドヒアランス不良の患者に対するモノセラピー選択肢と見なされている。LAI治療を受けている患者の、経口抗精神病薬の同時処方の割合や経過に関するデータは限定的であった。Journal of Clinical Psychopharmacology誌2015年8月号の掲載報告。 研究グループは、医療費請求データベースに基づく観察的研究により、LAI治療を受けているメディケイド受給患者340例について、経口薬の同時処方の頻度および期間を調べた。具体的には、統合失調症患者で、直近にアドヒアランス不良および入院の既往がある患者について調べた。調査には、第1世代の抗精神病薬デポ製剤(フルフェナジンデカン酸エステル、ハロペリドールデカン酸エステル)と、最新の使用可能な注射剤(LAIリスペリドン、パリペリドンパルミチン酸エステル)の両方を含んだ。 主な結果は以下のとおり。 ・LAI治療を開始した全患者のうち、75.9%が退院後6ヵ月の間に経口抗精神病薬の同時処方を受けていた。 ・同時処方を受けていた患者は、LAI薬と同一の経口薬を処方されている頻度が高かった。一方で、第1世代のLAI使用者の多くが、第2世代の経口薬を同時処方されていた。 ・同時処方率が最も低かったのは、パリペリドンパルミチン酸エステルの処方群であった(58.8%)。一方で最も高かったのは、LAIリスペリドンの処方群であった(88.9%)。 ・経口薬とLAI処方の重複は、概して期間が長期(30日超など)になると発生しており、またLAIにより重複が生じている日の割合が顕著(50%超)であった。 これらの結果を受けて著者らは、「さらなる研究でそのような処方がなされた理由を調べ、また日常診療におけるさまざまな抗精神病薬治療の至適な役割を、明らかにする必要があることが強調された」とまとめている。 関連医療ニュース 初回エピソード統合失調症、LAIは経口薬より優る 統合失調症、デポ剤と抗精神病薬併用による効果はどの程度 アリピプラゾール持続性注射剤の評価は:東京女子医大 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Doshi JA, et al. J Clin Psychopharmacol. 2015;35:442-446. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)