2つの月1回抗精神病薬持効性注射剤、有用性の違いは 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/08/25 統合失調症患者に対する2つの持効性注射剤の有用性を評価するため、ドイツ・ハンブルク大学エッペンドルフメディカルセンターのDieter Naber氏らは直接比較試験を行った。アリピプラゾール400mg/月1回(AOM400)とパリペリドンパルミチン酸エステル月1回(PP)について、Heinrichs-Carpenter QOL評価尺度(QLS)、健康関連QOL、機能尺度を用いて検討した結果、AOM400はPPと比較し、健康関連QOLの優れた改善や良好な忍容性プロファイルにより、高い全般的有効性が示唆された。Schizophrenia research誌オンライン版2015年7月28日号の報告。 成人統合失調症患者(18~60歳)を対象に、経口薬からAOM400またはPP(筋肉内注射を4週間以上継続)への変更を行った。試験デザインは、28週間、無作為化、非劣性、オープンラベル、評価者盲検、直接比較にて実施した。主要評価項目は、混合モデルを用いた反復測定分析で評価した、QLS合計スコアの非劣性および優越性である。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者295例は、AOM400群(148例)、PP群(147例)に無作為に割り付けられ、それぞれ67.6%(100/148例)、56.5%(83/147例)が28週間の治療を完了した。 ・ベースラインから28週後のQLS合計スコアの変化における統計学的に有意な最小二乗平均値の差(4.67、95%CI:0.32~9.02、p=0.036)により、PP群に対するAOM400群の非劣性、ならびに優越性が認められた。 ・臨床全般印象・重症度尺度(CGI-S)スコアおよび治験責任医師による問診において、PP群に対するAOM400群の有意な改善が認められた。また、事前に定義したサブグループ解析では、35歳以下のAOM400群の患者において有意に良好な一貫したパターンが認められた。 ・治療継続期において治療下で発現した一般的な有害事象は、AOM400群と比較しPP群でより多く認められた。また、有害事象は継続中止の最も多い理由であった(PP群:19.7%[27/137例]、AOM400群:11.1%[16/144例])。 ・すべての理由による中止件数は、AOM400群で少なかった。 関連医療ニュース アリピプラゾール持続性注射剤の評価は:東京女子医大 初回エピソード統合失調症、LAIは経口薬より優る 経口抗精神病薬とLAI併用の実態調査 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Naber D, et al. Schizophr Res. 2015 Jul 28. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20) [ あわせて読みたい ] 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)