不適切なベンゾジアゼピン処方、どうやって検出する 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/08/31 慢性的な不眠症への治療は重要であり、一般に睡眠薬の処方が行われている。しかし、常用や長期使用は、耐性や依存性のリスクや有害事象のリスクを増大するため避けるべきとされ、2012年にアップデートされたBeers criteria(高齢者で不適切な薬物治療)では、高齢者の不眠症治療ではすべてのベンゾジアゼピン系薬を回避するよう示されている。イタリア・CRS4のSilvana Anna Maria Urru氏らは、地域薬局のサーベイデータを用いることで、不眠症に対するベンゾジアゼピン系薬の不適切な処方に関する情報を入手できることを報告した。International Journal of Clinical Pharmacy誌オンライン版2015年7月22日号の掲載報告。 研究グループは、イタリアの8つの地域薬局における観察研究を行い、不眠症に対するベンゾジアゼピン系薬処方の適切さを調べ、地域薬局が不適切な処方のサインを識別できるのか調べた。各薬剤師に、ベンゾジアゼピン系薬が1回以上処方された患者サンプルについてインタビューを行った。最小限のデータセットとして、社会人口統計学的情報、処方薬の適応症、処方期間、睡眠薬の数量、これまでに試みられた投薬中断、ベンゾジアゼピン系薬離脱に関する患者の希望、漸減方法に関する情報を集めた。主要評価項目は、適応症、治療期間、投薬量、投薬中断の試みと方法とした。 主な結果は以下のとおり。 ・計181例にインタビューが行われた。 ・約半数の回答者(81例)が、不眠症の治療を受けていることを報告し、62%が高齢者であった(平均年齢68歳、範囲27~93歳)。 ・52例(64%)が長期投与(>3年)を受けていた。13例(16%)の治療期間は1~3年にわたっていた。 ・33例がベンゾジアゼピンの服薬中止を支持していたが、全例が中止不成功であった。 今回の結果を踏まえ、著者らは「エビデンスベースのガイドラインをより厳しく遵守することが睡眠薬、鎮静薬の理に適った使用の基本である」と指摘している。 関連医療ニュース ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は メラトニン使用でベンゾジアゼピンを簡単に中止できるのか 長期ベンゾジアゼピン使用は認知症発症に影響するか 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Urru SA, et al. Int J Clin Pharm. 2015 Jul 22. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 ベンゾジアゼピン使用と認知症リスクとの関連性が示唆された 医療一般(2018/11/20) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ATTR型心アミロイドーシス、CRISPR-Cas9遺伝子編集療法が有望/NEJM(2024/12/23) 更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ(2024/12/23) 温水洗浄便座を使用する?しない?その理由は/医師1,000人アンケート(2024/12/23) 38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か(2024/12/23) 帯状疱疹ワクチン、65歳を対象に定期接種化を了承/厚労省(2024/12/23) TN乳がん術前化学療法への周術期アテゾリズマブ上乗せ、EFSを改善せず/SABCS2024(2024/12/23) 増える成人食物アレルギーと新規アレルゲン、「食べたい」に応えるために/日本アレルギー学会(2024/12/23) 「ストレス食い」の悪影響、ココアで軽減の可能性(2024/12/23) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) シネマセラピー ~シネマにみるメンタルヘルス~(2013/04/26)