これからのうつ病治療、どんな介入を行うべきか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/10/05 うつ病は、運動不足と関連しており慢性的な身体健康状態に影響を及ぼしている可能性があるが、うつ病に対する心理学的介入と、身体活動促進のための行動変容技術(たとえば行動活性化療法[BA]など)を組み合わせた介入は、ほとんど行われていない。英国・エクセター大学医学部のClaire Pentecost氏らは、心理療法アクセス改善(IAPT)プログラム内で予備的な無作為化比較試験を実施し、参加者の募集やデータ収集に困難はあったものの、被験者は概してBAおよび身体活動促進(BAcPAc)の自助パンフレットに関心を持ち、身体活動促進に意欲を示したことを明らかにした。無作為化比較試験の実施に当たってはいくつかの課題も浮き彫りとなり、著者らは「大規模臨床試験を行うためには、これらの課題をよく理解し解決する必要がある」とまとめている。Trials誌オンライン版2015年8月20日号の掲載報告。 研究グループは、成人うつ病患者60例を、BAのみまたはBA+身体活動促進(BAcPAc)のいずれかに基づいた自助プログラムに無作為化し、ベースラインおよび4ヵ月後に評価した。研究方法や介入方法の許容性および実現性を検討するため、参加者およびpsychological wellbeing practitioner(PWP)から質的データを収集するとともに、費用などに関するデータも収集した。 主な結果は以下のとおり。 ・4ヵ月後に評価し得た症例は、44例(73%)であった。 ・加速度計を用いた身体活動データは、44例中28例(64%)で収集された。 ・20例(33%)が少なくとも1回は治療を受けた。 ・インタビューデータは、参加者15例およびPWP9名について分析した。 ・既存のIAPTサービス内で無作為化比較試験を実施することの課題として、スタッフの高い離職率、参加者のスケジュール管理の問題、PWPおよび参加者が認知機能に関する治療を優先させること、BA実施プロトコルの逸脱が明らかになった。 ・BAcPAc療法は、概して患者とPWPに受け入れられた。 関連医療ニュース うつ病へのボルダリング介入、8週間プログラムの成果は 日本人治療抵抗性うつ病患者へのCBT併用試験とは:FLATT Project 軽度うつ病患者の大うつ病予防効果を検証するRCTは実施可能か (ケアネット) 原著論文はこちら Pentecost C, et al. Trials. 2015;16:367. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 うつ病への認知行動療法 vs.行動活性化療法/Lancet ジャーナル四天王(2016/08/04) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)