介護施設での任天堂Wiiを用いたメンタルヘルス 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/10/15 世界中で65歳以上の人口が急増している。介護施設の高齢者は地域の高齢者に比べ、うつ病の程度が高く、社会的支援や帰属意識が少ない。施設入居者のメンタルヘルスを改善する介入法が研究され始め、テレビゲームが認知や身体に効果があることが明らかとなった。集団の中でゲームをすることは、社会的交流にもつながり孤独感を減らす可能性がある。オーストラリア・フェデレーション大学のJessica Chesler氏らは、任天堂Wiiを用いた介入プログラムを評価する研究を行っており、そのプロトコルを紹介した。著者らは、「テレビゲームの使用が効果的であるとわかれば、楽しく経済的で使いやすい介入方法を確立し、Wiiゲームを活動スケジュールに組み込むことが介護施設に入居する高齢者のメンタルヘルスに役立つ可能性がある」とまとめている。BMC Geriatrics誌オンライン版2015年9月3日号の掲載報告。 研究グループは、介護施設の高齢者間のつながりを深めるために考案された介入プログラムについて評価することを目的として、混合法(質的研究と量的研究の両者のアプローチを用いる)による準実験的な試験を実施した。 試験の概要は以下のとおり。 ・参加者を介入群(Wiiボウリング)または対照群に分け、介入群では他の入居者(最大3人まで)と一緒に週2回Wiiボウリングへの参加を促し、6週間介入を行った。 ・両群とも、介入前(0週)、介入後(6週)、介入終了2ヵ月後(14週)に、うつ病、社会的支援の程度、帰属意識、自己評価による現在の気分について評価するとともに、グループメンバー間の社会的交流に関する質的データを1、3および6週に収集した。 ・両群とも、入居者やスタッフが、介入なしでWiiと関わるかどうかを調べるため、6週以降はWii本体を渡した。 関連医療ニュース 認知症に対する回想法、そのメリットは 認知症治療、薬物療法にどの程度期待してよいのか 高齢者介護ロボット、認知症対応でも効果を発揮できる? 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Chesler J, et al. BMC Geriatr. 2015;15:106. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)