統合失調症患者にはもっと有酸素運動をさせるべき 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/10/21 初回エピソードの統合失調症患者のメタボリックシンドロームおよび代謝異常の有病率は、健常対照と比較して有意に高く、また1年間の治療フォローアップ中にいずれも有意な増大が認められたことが、デンマーク・オーフス大学病院のL. Nyboe氏らによる検討の結果、示された。さらに、メタボの有意なリスク因子として、有酸素運動の不足を示唆する所見もみられたという。結果を踏まえて著者らは、「健康的なライフスタイルを、精神科治療およびリハビリテーションの一部として推進していかなくてはならない」と提言している。Schizophrenia Research誌2015年10月号の掲載報告。 研究グループは、メタボリックシンドローム(MetS)と代謝異常の有病率について、初回エピソード統合失調症患者と年齢・性別で適合した健康対照と比較すること、また、治療1年間のMetSの変化、さらにMetSの予測因子について調べた。MetSは、国際糖尿病連合(IDF)の基準に基づく腹囲、血圧(BP)、トリグリセライド(TG)、高密度リポタンパク質(HDL)、空腹時血糖値で特定した。また、被験者の、身体的活動度、有酸素運動、喫煙、食習慣、睡眠障害、抗精神病薬および向精神薬の情報についても入手。ベースライン、フォローアップ1年時点で評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・被験者は、初回エピソード統合失調症(FES)患者99例、健常対照50例であった。 ・FES患者は健常対照と比較して、MetSのベースライン有病率が高かった(p=0.07)。 ・また、各代謝異常のベースライン有病率も高く、腹囲(p<0.01)、TG(p<0.01)、HDL(p=0.017)、空腹時血糖値(p=0.04)は有意に高値であった。 ・FES患者は試験期間中、MetS(p=0.03)の有病率、および腹囲(p=0.04)、TG(p=0.01)が有意に増大した。 ・抗精神病薬および身体活動度の低さが、MetS増大と有意に相関していた。 ・多変量解析では、有酸素運動の少なさが、代謝異常やMetSの最も強固で有意な予測因子であった。 関連医療ニュース 統合失調症患者の運動増進、どうしたら上手くいくか うつ病へのボルダリング介入、8週間プログラムの成果は 子供はよく遊ばせておいたほうがよい 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Nyboe L, et al. Schizophr Res. 2015;168:381-387. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 抗うつ薬30種類の生理学的影響を比較~ネットワークメタ解析/Lancet(2025/11/04) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のOS最終解析(FLAURA2)/NEJM(2025/11/04) 左室駆出率の保たれた心不全に対するセマグルチドとチルゼパチドの比較―大規模エミュレーション研究から(解説:加藤貴雄氏)(2025/11/04) 肝指向性DGAT2アンチセンスオリゴヌクレオチド阻害薬ION224のMASHに対する治療効果:第II相試験の結果(解説:相澤良夫氏)(2025/11/04) アルコール依存症の再発率はどの程度?(2025/11/04) 筋層浸潤性膀胱がんにおけるデュルバルマブの役割:NIAGARA試験からの展望(2025/11/04) 原因不明の慢性咳嗽の“原因”が明らかに?(2025/11/04) 学校給食の無償化で子どもの高血圧リスク低下(2025/11/04) アルツハイマー病治療薬が自閉症にも有効か(2025/11/04) [ あわせて読みたい ] 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)