認知症患者と介護者のコミュニケーションスキル向上のために 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/11/02 看護師と認知症患者との効果的なコミュニケーションにより、患者ニーズの理解が促進し、コミュニケーションのミスに関連した患者または看護師におけるフラストレーションが軽減するため、患者ケアの質が高まる。台湾・国立成功大学のHui-Chen Chao氏らは、最新の革新的インターネットベースコミュニケーション教育(AIICE)プログラムが、認知症患者に対する看護師のコミュニケーションスキルおよび認知症患者の記憶・行動関連の症状およびうつ症状に及ぼす影響を検討した。その結果、AIICEプログラムは看護師のコミュニケーション知識、患者とのコミュニケーション能力評価の頻度、コミュニケーション実行能力を向上させ、患者の記憶・行動関連の問題およびうつ症状を軽減させることが示された。著者らは、「AIICEプログラムを用いた看護師の継続的なコミュニケーション訓練が推奨される」と述べている。Journal of Nursing Research誌オンライン版2015年9月14日号の掲載報告。 研究グループは、認知症患者ケアにおける看護師のコミュニケーション知識、態度、患者とのコミュニケーション能力評価の頻度、そしてコミュニケーション実行能力に対する、最新の革新的インターネットベースコミュニケーション教育(AIICE)プログラムの効果を評価した。さらに、認知症患者の記憶・行動関連の問題およびうつ症状などのアウトカムに対する本プログラムの間接的な効果についても評価した。1つのグループを反復測定する準実験的リサーチ法を実施。南台湾にある複数の長期ケア施設から便宜的抽出法を用いて看護師をサンプリングし、一般的な推定式を用いてデータを分析し、ベースライン時、試験4週間後、試験16週間後の3つの時点にわたる経時的変化を比較した。看護師105人がALICEプログラムと試験後の調査を完了した。 主な結果は以下のとおり。 ・看護師のコミュニケーション知識、患者コミュニケーション能力評価の頻度、コミュニケーション実行能力は、ベースラインと比較し試験4週間後または16週間後に有意な改善が認められた(p<0.01)。 ・しかし、コミュニケーション態度については有意な改善を認めなかった(p=0.40)。 ・さらに、患者の記憶・行動関連の問題およびうつ症状は、試験16週間後に有意に軽減した(p=0.05)。 関連医療ニュース 介護施設での任天堂Wiiを用いたメンタルヘルス 認知症と介護、望まれる生活環境は 認知症に対する回想法、そのメリットは 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Chao HC, et al. J Nurs Res. 2015 Sep 14. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ATTR型心アミロイドーシス、CRISPR-Cas9遺伝子編集療法が有望/NEJM(2024/12/23) 更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ(2024/12/23) 完璧なHIV感染予防法にアクセスできるのは?(解説:岡慎一氏)(2024/12/23) 温水洗浄便座を使用する?しない?その理由は/医師1,000人アンケート(2024/12/23) 38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か(2024/12/23) 帯状疱疹ワクチン、65歳を対象に定期接種化を了承/厚労省(2024/12/23) TN乳がん術前化学療法への周術期アテゾリズマブ上乗せ、EFSを改善せず/SABCS2024(2024/12/23) 増える成人食物アレルギーと新規アレルゲン、「食べたい」に応えるために/日本アレルギー学会(2024/12/23) 「ストレス食い」の悪影響、ココアで軽減の可能性(2024/12/23) [ あわせて読みたい ] 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03) スキンヘッド脳外科医 Dr. 中島の 新・徒然草(2014/01/20) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)