アルツハイマー病、進行前の早期発見が可能となるか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/11/20 アルツハイマー病(AD)に対する新しい治療法の開発を促進するため、早期診断バイオマーカーに大きな関心が寄せられている。MRIによる神経変性の測定はバイオマーカーの良い候補と考えられているが、これまでのところ病理学的な初期段階で有効性は示されていない。フランス国立科学研究センター(CNRS)のPierrick Coupe氏らは、MRIを用いた新たな海馬評価スコアを開発し、認知機能が障害されていない患者における認知症発症の早期発見に役立つかどうかを検証した。その結果、ADへ進行する7年前の海馬評価スコアが、海馬容積やMMSEスコアよりも予測精度が高いことを明らかにした。著者らは、「今回の研究は先行研究と比較して追跡期間が長期であり、この新しい画像バイオマーカーは臨床的に重要な意義がある。精度が高いことから、ADへ進行するリスクが高い認知機能正常患者の特定に役立つだろう」とまとめている。Human Brain Mapping誌オンライン版2015年10月10日の掲載報告。 研究グループは、健常者とAD患者を含むフランス3都市コホート研究の対象者において、MRIを用い、解剖学的パターンと類似性の高い新しい海馬評価スコアをパターン認識手法に基づいて作成し、12年間追跡調査した。 主な結果は以下のとおり。 ・ADへ進行する7年前の海馬評価の予測精度は最大72.5%(p<0.0001)で、海馬容積(58.1%、p=0.04)とMMSEスコア(56.9%、p=0.08)のどちらよりも精度が高かった。 ・ROC曲線下面積は、海馬容積(64.6%)より海馬評価(73.0%)が8.4ポイント高く、画像バイオマーカーの有効性が示された。 ・この新しい方法は、臨床スコアの推定に適応できることも示された。 関連医療ニュース 早期アルツハイマー病診断に有用な方法は 統合失調症の正確な早期診断のためには 軽度認知障害からの進行を予測する新リスク指標 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Coupé P, et al. Hum Brain Mapp. 2015 Oct 10. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20) [ あわせて読みたい ] 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)