遺伝子で抗うつ効果を予測可能か

高齢者うつにおける抗うつ薬による寛解が、モノアミン系および代謝系経路の遺伝子発現プロファイルと関連していることを、オーストラリア・アデレード大学のHarris A. Eyre氏らが、ゲノムワイドの検討により明らかにした。検討は初となるパイロット試験であり、示された結果について著者らは「大規模なサンプルで再現する必要がある」と述べている。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2015年10月15日号の掲載報告。
研究グループは、高齢者うつにおける抗うつ薬反応の予測因子について、メチルフェニデートとcitalopramの無作為化プラセボ対照試験によりゲノムワイド転写プロファイルを調べた。被験者は、高齢大うつ病患者35例。メチルフェニデート+citalopram併用、citalopram+プラセボまたはメチルフェニデート+プラセボに無作為に割り付けた。メチルフェニデート投与量は10~40mg/日、citalopram投与量は20~60mg/日であった。被験者のベースラインと16週時点の末梢血白血球を用いて、ゲノムワイド転写プロファイルを調査した。寛解は、ハミルトンうつ病評価尺度6未満と定義し、治療開始4週時点で同スコアを達成した場合は早期寛解とした。ベースラインで確認した遺伝子発現の差異から抗うつ薬反応を予測可能であると仮定し、検証した。
主な結果は以下のとおり。
・遺伝子発現の解析は、寛解者24例、非寛解者11例で行われた。
・ベースラインで、寛解者全例に発現が認められた3つの遺伝子(HLA-DRB5、SELENBP1、LOC388588)を認めた。
・それらの発現頻度は非寛解者と比べて寛解者では有意に高率で、規定の有意水準を満たした(倍率変化=2、p=0.05)。
・非寛解者と比べて早期寛解者では、ベースラインにおいて、2つのゲノム転写の発現が高率にみられた。
・1つは、呼吸機能に関係する8番染色体上のCA1炭酸脱水酵素遺伝子であった(倍率変化=2.54、p=0.03)。もう1つは、ドパミントランスポーター結合に関係するSNCA-α-synuclein遺伝子であった(倍率変化=2.1、p=0.03)。
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