双極性障害I型とII型、その違いを分析 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/01/19 スウェーデン・カロリンスカ研究所のChristoph Abe氏らは、双極性障害I型(BD I)およびII型(BD II)患者について、皮質容積・皮質厚・皮質表面積を同時に分析するコホート研究を行い、診断に関連した神経生物学的な違いを明らかにした。著者らは、「今回の結果から、BD IとBD IIの症状の違いを説明することができ、診断のバイオマーカーとなりうる可能性を示している」と結論している。ただし、本検討結果で示された違いについては、「疾患の進行性の変化によって、また発症前の状態によっても説明でき、社会・環境・遺伝的な未知の要因に影響された可能性もある」と研究の限界にも言及している。Journal of Psychiatry Neuroscience誌オンライン版2015年12月7日号の掲載報告。 BDは、主に躁病、軽躁病、うつ病の発症によって特徴付けられる一般的な慢性精神障害で、認知機能障害あるいは脳構造の異常(健常者に比し前頭部の皮質容積が小さいなど)と関連している。I型とII型では症状や重症度が異なるが、これまでの研究はBD Iに焦点が当てられていた。研究グループは、BD I患者81例、BD II患者59例および健康な対照群85例を対象に、皮質容積、皮質厚、皮質表面積をMRIで測定し、重要な交絡因子に関して調整し解析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・BD患者の前頭部、側頭部および内側後頭部で、皮質容積・皮質厚・皮質表面積の異常が認められた。 ・内側後頭部の異常にはリチウムと抗てんかん薬の使用が影響を及ぼしていた。 ・BD I患者およびBD II患者では共に一般的な皮質異常(健常者と比較し前頭部における皮質容積・皮質厚・皮質表面積が低下)が認められた。 ・側頭部および内側後頭部の異常はBD I患者でのみ認められ、皮質容積および皮質厚が異常に低かった。 (鷹野 敦夫) 精神科関連Newsはこちらhttp://www.carenet.com/psychiatry/archive/news 原著論文はこちら Abe C. et al. J Psychiatry Neurosci. 2015 Dec 7;41:150093. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 小児がん、定期的な症状スクリーニングで苦痛な症状が改善/JAMA(2024/11/21) 米国民の幸福度、国内格差を人間開発指数で解析/Lancet(2024/11/21) エンパグリフロジン投与終了後もCKDの心・腎保護効果が持続、レガシー効果か?(解説:栗山哲氏)(2024/11/21) 心臓MRIによるLGEはLVEFより拡張型心筋症のリスクをより良く予測する(解説:佐田政隆氏)(2024/11/21) 肺動脈性肺高血圧症治療剤ユバンシ配合錠が発売/ヤンセン(2024/11/21) TN乳がんへのサシツズマブ ゴビテカン、販売開始/ギリアド(2024/11/21) ROS1陽性NSCLCへの新たな選択肢レポトレクチニブ、その特徴は?/BMS(2024/11/21) 低リスク肺塞栓症がん患者のVTE再発、リバーロキサバン18ヵ月vs. 6ヵ月(ONCO PE)/AHA2024(2024/11/21) 大腸がん検診、現時点では血液検査よりも大腸内視鏡検査が優れる(2024/11/21) うつ病に対するブレクスピプラゾール補助療法、安定後は継続または中止?(2024/11/21) [ あわせて読みたい ] 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)