家庭の味が認知症ケアには必要 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/02/03 伝統的な食品は、帰属感、アイデンティティ、伝統の感情を強め、認知症患者の文化的アンデンティティやQOLの保持や強化に役立っている。味覚は、生理学的というよりも文化的なものである。食習慣は、人生の早い段階で確立され、その変更は難しい場合がある。また、なじみのない料理は、失望や裏切られたような気持ち、愛されていない感覚につながる可能性がある。ノルウェー・Lovisenberg diakonale hogskoleのIngrid Hanssen氏らは、施設に入居する認知症患者に対する伝統的な食品の意味について検討を行った。Journal of clinical nursing誌オンライン版2016年1月11日号の報告。 使用した3つの研究は定性的なデザインであった。認知症ケアを経験した家族や看護師へのより綿密なインタビューは、南アフリカ、エスニックノルウェー人、ノルウェーのサーミ人で行われた。文字説明によるContent-focused分析は、思考、感情、文化的意味を説明するために使用された。 主な結果は以下のとおり。 ・伝統的な食品は、帰属感や喜びを生み出した。 ・なじみのある味や匂いは、患者の楽しい思い出を呼び起こし、幸福感やアイデンティティ、帰属感を後押しし、普段話せなかった人にも発言をもたらした。 ・認知症者の子供のころから覚えている料理を提供することは、維持、文化的アイデンティティの強化、喜びの醸成、患者の帰属感向上、尊重や配慮されることに役立つ。 ・さらに伝統的な食品は、患者の食欲、栄養摂取、QOLを向上させる。 ・特別養護老人ホームで伝統的な食品を提供するためには、追加の計画やリソース、伝統的な知識、クリエイティビティ、患者の個人的な好みを知ることが必要である。 関連医療ニュース 認知症に対する回想法、そのメリットは 日本人の認知症リスクに関連する食習慣とは? アルツハイマー病、進行前の早期発見が可能となるか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Hanssen I, et al. J Clin Nurs. 2016 Jan 11. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ATTR型心アミロイドーシス、CRISPR-Cas9遺伝子編集療法が有望/NEJM(2024/12/23) 更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ(2024/12/23) 温水洗浄便座を使用する?しない?その理由は/医師1,000人アンケート(2024/12/23) 38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か(2024/12/23) 帯状疱疹ワクチン、65歳を対象に定期接種化を了承/厚労省(2024/12/23) TN乳がん術前化学療法への周術期アテゾリズマブ上乗せ、EFSを改善せず/SABCS2024(2024/12/23) 増える成人食物アレルギーと新規アレルゲン、「食べたい」に応えるために/日本アレルギー学会(2024/12/23) 「ストレス食い」の悪影響、ココアで軽減の可能性(2024/12/23) [ あわせて読みたい ] ナベちゃん先生のだれでも読める心エコー(2015/12/07) Dr.香坂のすぐ行動できる心電図 ECG for the Action! (2015/10/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) ナベちゃん先生のだれでも撮れる心エコー(2015/09/08) HDLの質に注目した新たなアプローチ ―脂質異常症患者における高純度EPA製剤の投与意義―(2015/07/10) Dr.たけしの本当にスゴい症候診断(2015/07/07)