抑うつ症状は認知症の予測因子となりうるのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/02/10 抑うつ症状は、健忘型軽度認知機能障害(aMCI)においてもよく見られる症状である。抑うつ症状と認知症への転換との関連はまだ明らかになっていない。ベルギー・ブリュッセル自由大学のEllen De Roeck氏らは、aMCI患者における抑うつ症状が認知症への転換を予測するかを確認するため、縦断的研究を行った。International psychogeriatrics誌オンライン版2016年1月18日号の報告。 本研究にはaMCI患者35例が参加した。すべての参加者について、認知機能検査を行い、抑うつ症状の有無を確認するため高齢者用うつ尺度(GDS)を用いて評価した。GDSスコア11以上を、有意な抑うつ症状ありのカットオフ値とした。認知症への転換は、1.5、4、10年後のフォローアップ訪問にて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・31.4%の患者は、ベースライン時に抑うつ症状が認められた。 ・ベースライン時のいずれの認知機能検査においても、うつ症状の有無による有意差は認められなかった。 ・1.5、4、10年後に認知症へ転換した患者は、それぞれ6、14、23例であった。 ・ベースライン時のGDSスコアは認知症への転換を予測しなかったが、認知機能検査、具体的には手がかり再生検査(記憶障害スケールを含む)は転換の良好な予測因子であった。 ・今回の対象者において、MCI患者における抑うつ症状は、認知症への転換を予測する因子とは言えなかった。 関連医療ニュース 軽度認知障害からの進行を予測する新リスク指標 アルツハイマー病、進行前の早期発見が可能となるか 認知症、早期介入は予後改善につながるか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら De Roeck E, et al. Int Psychogeriatr. 2016 Jan 18:1-8. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)