摂食障害(ED)は大学生年齢の女性の間で深刻な問題であるが、予防することが可能である。米国スタンフォード大学のC Barr Taylor氏らは、EDと併存症状を軽減するようデザインされたEDオンライン介入を評価した。Journal of consulting and clinical psychology誌オンライン版2016年1月21日号の報告。
ED発症リスクが非常に高い女性206人(年齢:20±1.8歳、白人51%、アフリカ系アメリカ人11%、ヒスパニック10%、アジア人/アジア系アメリカ人21%、その他7%)を、10週間のインターネットベースの認知行動介入群または対照群に無作為に割り付けた。評価には、摂食障害検査(EDE、ED発症を評価)、EDE質問票(EDE-Q)、DSM用構造化臨床面接、ベックうつ病評価尺度-II(BDI-II)を用いた。
主な結果は以下のとおり。
・EDの傾向や行動は、対照群と比較し、介入群でより改善された(p=0.02、d=0.31)。ED発症率は27%低値であったが、有意差は認められなかった(p=0.28、NNT=15)。
・体型に対する懸念が最も高いサブグループでは、対照群と比較し、介入群はED発症率が有意に低かった(20%対42%、p=0.025、NNT=5)。
・ベースライン時にうつ病であった27人について、抑うつ症状は対照群と比較し、介入群で有意に改善された(p=0.016、d=0.96)。介入群のED発症率は、対照群よりも低かったが、有意差は認められなかった(25%対57%、NNT=4)。
・安価で簡単に普及可能なこうした介入は、高リスク群のED発症を減少させる可能性がある。今後の検討により、普及することが期待される。
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