日本人統合失調症患者のMets有病率を調査:新潟大学 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/02/17 統合失調症患者はメタボリックシンドローム(Mets)リスクが高いが、Mets有病率は民族間で異なる。また、Metsの誘因となる運動不足や偏食などの環境的要因は、統合失調症の入院患者と外来患者とでは異なる可能性がある。日本のメンタルヘルスケアシステムは他国とは異なるが、これまで、日本人統合失調症患者におけるMets有病率の調査はほとんどなかった。新潟大学の須貝 拓朗氏らは、入院および外来の日本人統合失調症患者におけるMetsの有病率を明らかにするため全国調査を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2016年1月22日号の報告。 外来施設520ヵ所、入院施設247ヵ所へのアンケートにより、Metsリスクの検討を行った。対象となった統合失調症患者は外来患者7,655例、入院患者1万5,461例であった。Metsの有病率は、National Cholesterol Education Program Adult Treatment Panel III(ATP III-A)、日本肥満学会(JASSO)の定義に基づいた。 主な結果は以下のとおり。 ・ATP III-Aの定義によるMets有病率は、外来患者で34.2%(男性:37.8%、女性:29.4%)、入院患者で13.0%(男性:12.3%、女性:13.9%)であった。 ・外来患者におけるMets有病率は、入院患者よりも約2~3倍高かった。 結果を踏まえ、著者らは「日本人統合失調症の外来患者におけるMetsの有病率は、入院患者よりも約3倍高い。このことから、外来患者と入院患者の健康特性の違いを考慮したうえで、統合失調症患者の身体疾患のリスクにもっと注意を払う必要がある」とまとめている。 関連医療ニュース 日本人統合失調症患者の脂質プロファイルを検証!:新潟大学 非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明か 第二世代抗精神病薬、QT延長に及ぼす影響:新潟大学 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Sugai T, et al.Schizophr Res. 2016 Jan 22. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 統合失調症と肥満~メタ解析 医療一般(2021/10/21) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ATTR型心アミロイドーシス、CRISPR-Cas9遺伝子編集療法が有望/NEJM(2024/12/23) 更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ(2024/12/23) 完璧なHIV感染予防法にアクセスできるのは?(解説:岡慎一氏)(2024/12/23) 温水洗浄便座を使用する?しない?その理由は/医師1,000人アンケート(2024/12/23) 38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か(2024/12/23) 帯状疱疹ワクチン、65歳を対象に定期接種化を了承/厚労省(2024/12/23) TN乳がん術前化学療法への周術期アテゾリズマブ上乗せ、EFSを改善せず/SABCS2024(2024/12/23) 増える成人食物アレルギーと新規アレルゲン、「食べたい」に応えるために/日本アレルギー学会(2024/12/23) 「ストレス食い」の悪影響、ココアで軽減の可能性(2024/12/23) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)